宮沢賢治「猫の事務所」あらすじ・読書感想文

感想文
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『猫の事務所』は、猫たちが働く事務所に1匹だけみんなから嫌われているかま猫のお話です。

みんなからいじわるされている様子は、読んでいていて悲しくなったり、もしかしたら少しいやな気持になったりするかも?

お話としてはわかりやすくて短く読みやすいのですが、内容はちょっと重め。学校で言うところの”いじめ”が描かれています。

みんなからひどい仕打ちを受けている猫はいったいどうなってしまうのでしょうか?

 

「童話なのにこんな終わり方なの!?」

 

ときっと思ってしまう、結末が印象的なお話です。

本記事では、

  • 簡単なあらすじ
  • 読書感想文

についてまとめています。ぜひご覧になってみてください☆

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あらすじ

軽便鉄道の停車場のちかくに、猫の第六事務所があった。ここは主に、猫の歴史と地理を調べるところだった。書記はみんな大変尊敬されていたので、空きが出ると大騒ぎになる。この事務所の書記の数は四人と決まっていた。

事務長は大きな黒猫で少しもうろくしている。部下の一番書記は白猫、二番書記は虎猫、三番書記は三毛猫。そして四番書記が「竈猫(かまねこ)」だった。

かま猫というのは、夜かまどの中に入って眠る癖があるため、いつでも体が煤で汚れている猫のことだ。けれどもこの事務所は事務長が黒猫なので、こんなかま猫でも働けている。

 

仕事が来ると、事務長が指令を出して、他の猫たちがめいめいに調べ物をした。かま猫は要領が良かったのだが、他の猫たちはそれをいかにも馬鹿にしたように横目で見て、へっと笑ったりするのである。

事務所は流行っていたのだが、この事務所はその話から半年経った頃、とうとう廃止になってしまった。というのも、竈猫の仕事を他の猫三匹が取ろうとしたためだ。竈猫はなんとかみんなによく思われようと色々工夫をしたが、どうもかえって良くなかった。

 

ある日、虎猫が弁当箱を床に落として取ろうとしたのだが、無精をしたので取れなかった。かま猫が構って取ってやると、虎猫は激怒した。危うく事務長がそれを止めたが、虎猫は笑顔を作ったかと思うと、かま猫をじろっと見て腰掛けた。

そして五、六日後のことだった。今度は三番書記の三毛猫の筆が床に落ちた。三毛猫は虎猫同様、机から取ろうとしたがやはり届かない。かま猫は見るに見かねて立ち上がると、三毛猫が乗り出しすぎて床に落っこち、それをかま猫のせいにした。事務長がその場をおさめたが、後日とうとうその事務長もあてにならなくなった。他の三匹に嘯かれ、かま猫が風邪から復帰した日、事件が起きた。

かま猫は、自分の原簿が自分の机からなくなっているのに気が付いた。そして他の四匹が入ってくると、みんなかま猫の挨拶を無視して仕事を始めた。なんと、事務長以外の三匹の猫に、かま猫の原簿が分けられていたのだ。かま猫は耐えきれず泣き始めるが、他の猫はそんなこと知らないという風に楽しそうに仕事を続けていた。

その時だ。事務長の後ろの窓の向こうに、いかめしい獅子がその様子を見ていた。戸口を叩いて入ってくると、こう言った。

「お前たちは何をしているか。そんなことで地理も歴史も要った話ではない。やめてしまえ。えい。解散を命ずる」

こうして事務所は廃止となった。

読書感想文

大人の世界に入っていっても、いじめってあるのか。最初に感じたことは、そんな驚きだった。
かま猫は見るからに汚い。だけど、それだけだった。それだけなのだけど、他の猫からは嫌な目で見られている。仕事ができるのが、またいけないらしい。

これって、子どもの世界のいじめも、同じなんだろうなと思う。どうして「見た目」が関係するのだろうなと、いつも不思議なのだけれど、自分より少し勉強の苦手そうな子が、実は頭が良かったり、運動ができたりしていると、なんだかムッとする。不思議なことが起こる。多分、しっとというやつだと思う。

親とか先生から、自分をそっちのけにして「あの子、頭がいいのねえ」とか、褒め称えるんじゃないのだろうかと、そんなことが起こるかどうかもわからないのに、不安になる。起こっても、別に何の問題もないのだけど、とても嫌な気持ちになる。もっと、私を見てください!という気持ちになる。これは、あの子のことが、うらやましいのかもしれない。自分にはない自分だから。

 

わたしは見た目がそこそこだけど、勉強も運動もそこそこで、何もないような感じがする。特にこれができる、ということもない。

かま猫は、「汚い、だけど仕事がとってもできるし、気が利く」という、個性がある。他の猫三匹は、そんな個性のある優しいかま猫が、うらやましいんだろうなと思う。だからむかついて、いじめをしたりする。かま猫が助けてくれても、逆ギレしたりする。たぶん、恥ずかしかったんだろうと思うし、腹が立ってしまったのもあるんだろうと思う。

 

自分が嫌いな人に助けられてしまうと、自分がその人よりも、下になってしまったような気がするのだろうと思う。

わたしは最近、お父さんやお母さんに何かを手伝ってもらったりするのが、少し嫌になってきている。いつまでも、子どもというか、大人の「下」にいる感じが、苦手だ。
別にまだ大人になりたいというわけではないのだけど、自分は自分、という、自分づくりをしている感じ。だから、助けてほしくないのだ。

それを考えると、もしかするとかま猫も人を助け過ぎなのかもしれない。人が成長するのを、助けることで、じゃましちゃっているのかも。お弁当箱を落とした虎猫も、筆を落とした三毛猫も、そのまま物が取れない時間が続けば、「あ、こうすればいいんだ」と言って落とした物を自分で取る方法が見つかったのではないかな。

この間、「失敗は成功の母」という言葉を知った。失敗すると、未来の成功に結びついていく。その失敗をもぎ取ってしまうと、成功したくてもできなさそうだ。水泳も、泳げない、だから泳げるようになりたいと思うし、お習字も、うまくない、だからうまくなりたいと思う。自分でやってみて、採点してもらって、だめなところがやっとわかって、自分で良い方法を見つけていく。それが、一番いい。

 

最後、事務所は解散になってしまうけど、問題は解決していない。かま猫は、そのあとどうなっちゃうの?他のいじめをしていた猫たちの、思い方は変わったの?
大人になってもいじめがある、そんな世の中に、いるんだなあと思いながら、自分が将来働く会社のことを考えてみた。なんだか想像がつかないけれど、お互いの個性やできないところ、できるところを、ちゃんと認められる。そんな会社に働いてみたいと思った。

「猫の事務所」おすすめ絵本・朗読動画

このお話をもっと楽しむなら、絵本や朗読などもおすすめです。文章そのものだけでも十分面白いのですが、原文は少し言葉遣いが今風ではないので、ややわかりにくいところなどがあるかもしれません。

そんな時の強い味方が、絵や音です。イメージや感情が伝わりやすくなるので、より作品の世界へと入り込んでいけますよ♪

絵本

  • 作: 宮沢 賢治
  • 絵: 植垣 歩子
  • 出版社: 三起商行(ミキハウス)

朗読

とても聞き取りやすい読み方で、それぞれの登場人物の気持ちが伝わってくると思います。目を閉じて聞いていると、すーっと作品の世界に入っていけます♪

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まとめ

「猫の事務所」のあらすじ・読書感想文についてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。

登場するのは猫ばかりで、可愛らしい話かと思いきや”いじめ”をテーマにしたちょっと重いお話でした。

私が印象的だったのは、このお話の終わり方なのですが、あなたはどうだったでしょうか?

 

物語の終わりに急に獅子がやってきて、猫の事務所が廃止になってしまうのです。そして、その後のことがまったく描かれていません。

  • 猫たちの関係はどうなったの?
  • 無事に仕事につけたの?
  • ひどい仕打ちをうけていたかま猫は大丈夫なの?

などなど、気になることが残されたまま話は終わってしまいます。読書感想文を書くときは、このあたりについてあなたが感じたことを深めると、すてきな感想文になると思います✑

 

宮沢賢治の他の作品については、こちらで詳しくまとめています。読みやすくて有名な作品を中心にご紹介しているので、次の一冊にぜひどうでしょう☆

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