『マヤの一生』の簡単なあらすじと読書感想文をご紹介しています。
内容を簡単に理解したい、感想文の例文や構成を見たい、という方にピッタリの内容です。小学生の読書感想文のおすすめの一冊としても有名な本ですが、おすすめされるだけあって、本当に名作だと思います。
戦争に関する子ども向けの有名な本はたくさんありますが、中でも動物を大きく取り扱ったものは椋鳩十さんの『マヤの一生』、土家由岐雄さんの『かわいそうなぞう』など数が限られていて、貴重です。
マヤは犬なので、犬を飼っているととても感情移入ができ、感想文もきっと書きやすいはず☆
今年の夏は、ぜひこの本で感想文にチャレンジしてみてはどうでしょう(^^)/
『マヤの一生』簡単なあらすじ
熊野の狩人からもらった犬のマヤと、家族たちは仲良く暮らしていました。家族全員になついていましたが、いちばんなついていたのが次男でした。マヤがまだ小さかった初対面の日に、真っ先に懐に入れて何時間も可愛がっていたからです。マヤは、子どもたちはもちろんのこと、ニワトリのピピ、ネコのペルとも一緒に遊び楽しい日々が過ぎていきました。
しかし、戦争が激しくなるにつれて、食べ物が少なくなり暮らしもきびしくなってきます。やがて、「犬を飼うのはぜいたくだ」と、村の役人が犬を飼っている人たちに犬を差し出すように言うようになりました。最終的に、村で犬を飼っているのはマヤだけになりました。今まで何とか断っていたのですが、父親が留守の時に役人が家にきて、とうとう種畜場の広場へとつれ去れてしまいます。そして、兄弟の目の前で大人がマヤの頭を太い棒でうちつけたのです。兄弟は家にとびかえり、ショックのあまり40度の熱を出し寝込みます。
その夜、マヤは最後の力をふりしぼり、家に帰ってきていたのです。次男が気配を感じ飛び起きて出ていくと、次男の匂いのする下駄の上で冷たくなっていました。
だいぶ要約しましたが、簡潔なあらすじはこんな感じです。ちなみに、戦争が激しくなるのは本の半分以降からで、前半はマヤと子どもたち・ピピ・ペルなど家族との楽しい日常が描かれています。ここもとても読み応えがあって、きっとマヤが好きになるはずです。前半の平和でほのぼのした毎日があるだけに、余計に後半で悲しくなり、戦争のおろかさが伝わります。
『マヤの一生』読書感想文
では、『マヤの一生』の読書感想文の例文をご紹介します。
感想文の基本の形「この本を選んだ理由」「あらすじ・感想」「まとめ(作者が言いたかったこと、自分の心に残ったこと等)」という順番で、書いています。
迷いがちな、タイトル・書き出し・まとめ方などの一例になれば幸いです。
詳しい書き方についてはこちら
☞小学校高学年の読書感想文の書き方♪おすすめ本とマネしやすい構成まとめ
「戦争が人を変えてしまう」
私は動物の中でも犬が大好きで、犬が主人公の本を書きたいと思いました。また、夏休みはテレビなどで戦争に関連することもよく目にし関心があったので、犬と戦争について書かれた椋鳩十の『マヤの一生』を選びました。
この本には、熊野犬のマヤ以外にもニワトリのピピ、ネコのペルといった動物たちがでてきます。マヤは家族とピピ、ペルと一緒に仲良く暮らしていました。種類のちがう動物たちを一緒に飼うなんて、今ではないと思いますが、意外にも仲良く暮らしていけていて、びっくりしました。
動物たちのお話で印象的だったのが、ケンカの話です。にわとりのピピが猫のペルにちょっかいを出して、ペルがピピをかみます。それを見たマヤが、ピピをかんでひきはなしケンカをおさめるのです。お互いにかみ合っていた動物たちですが、不思議なことに首にも頭にも傷ひとつついていません。人間の争いは傷つけあって人が死んだりしますが、それとはちがって、どこか思いやりのある争いで、とても記憶に残りました。
ところが、そんなおだやかな毎日も終わりを告げます。戦争がはげしくなっていったのです。充分な食料も手に入りにくくなり、自分たちで食べ物を育てたりしながらも、きびしい日々を過ごしていたとき、突然村で犬を飼っている家は、犬を差し出すように連絡がありました。この食料のとぼしい時に犬などぜいたくだという理由です。
平和な今では考えられませんが、食べ物にも困り追い詰められると、私たちはこういったことをしてしまうのだろうなとも思いました。何もないと、犬の皮を何かにつかったり、食べたりすることもありえるのでしょう。
でも、マヤと強いきずなで結ばれた家族は、最後の最後まで役人たちに反抗します。そんな家族を見て、同じ村の人からは陰口だけでなく、直接聞こえるように悪口を言われたりします。どんどん人間らしさをうしなって、さつばつとした性格になる人が多い中、マヤを守る家族はちがいました。自分の気持ちに嘘をつかずにマヤを守るために立ち向かっていくので、本当に強いと思いました。
当時、このように飼い犬を守りたかったけれど、周りの人達に影響されて手放した人はたくさんいたのだろうなと想像しました。残念ながら、マヤは役人に棒でたたかれて死んでしまうのですが、最後まで家族、とくに次男をしたう気持ちには感動しました。
『マヤの一生』を読んで強く感じたのは、戦争は人を変えてしまうということです。戦争が激しくなるにつれ、人の心に余裕がなくなります。そして、平気で犬を殺したりするようになっていくのが、怖いと思いました。
その点、マヤを守る家族は変わりませんでした。最後まで、マヤの命を大切にして守ろうとしました。周りの人たちに合わせることは大事とは言うけれど、時と場合にもよるのだと感じました。
ただ、正しいと思うことをするのはとても勇気がいると思います。だから、ほとんどの人は少しくらい変だと感じていても、楽だからみんなの意見に合わせてしまう気がします。
私も、自分の信念をつらぬくマヤの家族たちのように強くありたいと思いました。そして、正しい決断をできるようにするためにも、世の中のことをもっと学んでいきたいと思いました。
『マヤの一生』あらすじ・感想文まとめ
以上、椋鳩十さん『マヤの一生』のあらすじと読書感想文でした。
この本を読んでいろいろ感じることは人によってちがうでしょうが、私の場合は戦争によって人の心がギスギスしていく様子がとくに印象に残りましたね。
マヤを連れていこうとしたこわい役人たちも、昔は気のやさしい人だったといった説明があり、そこを読んでゾッとしました。戦争は簡単に人を変えてしまうのだなと。
あらすじや感想ではどうしても、戦争が始まってしまい日に日に辛くなっていく暮らしの部分がメインになってしまうのですが、この本の魅力は前半も面白いことです!
マヤとの出会い、マヤが死にそうな捨て猫ペルの顔をなめていたこと、マヤと家族とのエピソード、など微笑ましいものばかり。マヤが大好きになること間違いなしです。
だからこそ、余計に最後悲しくなるのですが・・・
戦争のおそろしさ、追いつめられた人間が変わってしまうこと、マヤの家族のように周囲に流されず強い気持ちを持ち続ける大切さ、など多くのことがぎゅっと詰まったお話となっています。
ちなみに感想文はこっそりコピペなど自由に使ってもらってもかまいませんし、文章を書く際のお役に立てば幸いです。この記事だけでも読書感想文は書けますが、お時間あればぜひ一冊通しで読んでみてください📖
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