にしのあきひろさんの絵本「ジップ&キャンディ ロボットたちのクリスマス」は、クリスマスに起きた奇跡の物語。
とっておきの奇跡が起きるメリークリスマスな感動できる物語です。子どもだけじゃなく、大人もすごく楽しめる内容になっています(というか、大人だからこそ泣けるというか)
- 「ジップ&キャンディ」の内容が知りたい
- 夏休みの宿題で感想文を書こうか迷っている
なんてときは、ぜひご覧になってみてください。本記事では、この絵本の簡単なあらすじ・読書感想文をまとめています☆
「ジップ&キャンディ」あらすじ(ネタバレ)
土星の裏がわにある人とロボットが暮らす星。
今日も、最新型ロボットのジップは街の空をビュンビュン飛び回ります。最近気になっている、サンドイッチ博士の研究所の旧型ロボットの女の子キャンディのもとへ向かいました。 キャンディは博士から研究所の外に出ることを禁止されていましたが、ジップは一緒に空を飛ぼうと誘います。街をびゅんびゅん飛び回り、知らないものをいっぱい見れたキャンディはごきげんです。デパートで見つけた絵日記帳を気に入って、ジップにプレゼントしてもらい、大喜び。 翌日も、その翌日もジップはキャンディを研究所から連れ出し、街を飛び回ります。 新しい景色を見せてあげます。最後にクリスマスツリーの前に来て、イブの夜にここでキャンディと過ごすことを約束しました。
キャンディは物忘れが日に日にひどくなっていきました。キャンディの記憶できる量には限界があり、ジップが外に連れ出し新しいことをたくさん教えたために、昔の記憶が消えててしまったからでした。 しかし、キャンディが忘れてしまった記憶を元に戻す方法はひとつだけありました。キャンディに、コピーしてあるディスクを入れて再起動すること。ただ、そうするとジップに会った瞬間からの記憶は消えてしまいます。しかも、キャンディは新しいことはもう覚えられなくなるので、いくらジップと話しても、明日にはまた忘れてしまうのです。 それでもジップは迷わず「お願いします」とキャンディの思い出をとりもどすことを選びました。
1人になったジップ。クリスマスイブの日、キャンディとの思い出を忘れられないジップは、ツリーの前にいました。いつか2人でイブの日に過ごそうと約束した場所です。 何とそこに、自分のことを忘れたはずのキャンディが来てくれたのです。手には絵日記帳がありました。ジップと過ごした日々が書かれていました。 「ワタシはあなたのコトを知らない。だけどどうやらワタシはあなたのコトがスキみたい。 アシタになればあなたのコトはワスレテいるけど、このエニッキチョウを開けば、またあなたのコトがスキだとわかる」 ジップの目から涙が流れました。 ジップとキャンディはクリスマス・イブの夜空に舞いました。 「メリークリスマス!」 |
「ジップ&キャンディ」読書感想文
新型ロボットのジップと旧型ロボットのキャンディの恋の物語。
ジップが大好きなキャンディに声をかけ、楽しい時間を過ごし、そして悲しい別れまでの場面を読んでいるとき、ジップの気持ちにすごく共感した。似たような出会いと別れのストーリーを実際に体験した人って多いんじゃないかなと思う。
研究所から出たことがないキャンディを背中に乗せて、一緒に空を飛びいろんな景色を見せるジップ。とても嬉しかっただろうし、調子に乗ってしまう気持ちもよくわかる。
でも、ずっと楽しい日は続かなかった。キャンディの記憶の容量は少なく、新しいものを見せ続けたことで、それまでの記憶が消えていったのだ。ジップは自分のせいでとんでもないことをしたと後悔した。
大好きな人の昔の思い出を消してしまったのだから、ジップはどんなにつらかったことだろう。キャンディを元に戻す方法は、ディスクを入れ直し再起動すること。ただ、ジップとの思い出は消えてしまう。しかし、ジップは迷うことなくこの方法を受け入れた。本当に相手が好きならば、相手のことを思いやり、ジップと同じ決断をするだろうと思う。
今までの楽しい思い出、せっかく勇気を出してしたクリスマスイブにモミの木の前で会う約束の記憶も、キャンディから消えてしまうのが悲しい。
だけど、絵日記帳の内容を頼りにやってきたキャンディとジップはクリスマスイブに奇跡の再開をする。絵日記帳の内容が絵で描かれているのだけど、これが何だか感動する。ちょっとヘタな字、キャンディが一生懸命書いたんだろうな、イブの日をとても楽しみにしてたんだろうなという思いが伝わってくるからだ。どの絵もとても見ごたえがあるけれど、この絵日記帳の絵が描かれたページはいちばん引き込まれるものがあった。
そして、最後のこの文がとても印象に残りました。
明日、キャンディが絵日記帳を開いたときに笑えるように、最高の今日にしなくちゃ。
「ジップ&キャンディ」あらすじ・感想文 まとめ
以上、『Zip&Candy ~ロボットたちのクリスマス~』のあらすじ・感想文でした。
ストーリーが王道で結末が予測できるなんて声もあるようですが、私はすごくお気に入りの一冊です。変に奇をてらわない、王道こそ最高です!
それと、この絵本のあとがきには、絵本の裏話が書かれていました。何とこの物語は、西野さんとおばあさまとの思い出が元になっていたんです。ご本人のブログで絵本の無料公開がされていて、あとがきも読むことができます♪
https://lineblog.me/nishino/archives/9259112.html
大人も感動できる素敵な絵本になっています。お話が気に入ったら、紙の本で読むこともおすすめです。より絵の力を感じられ、物語の世界に引き込まれますよ☆
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