あらしのよるにシリーズ6冊目となる「ふぶきのあした」。
前作で、仲間たちのむれから離れたメイとガブ。ふぶきの中、やまごえをしなければならなくなった二匹でしたが、ついに食べるものもなくなってしまう・・・その時、メイがとった行動とは?
とても読みごたえのある物語になっています。
☑本記事の内容
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「ふぶきのあした」をより深く楽しみたいなら、ぜひご覧になってみてください。
「ふぶきのあした」あらすじ(ネタバレ)
ガブとメイは、オオカミたちにおわれていた。理由は、ガブが仲間をうらぎり、メイと生きていくことをえらんだからだった。2匹は逃げるため、ふぶきの山へとすすみだした。山の向こうにある森をめざして。
とても仲良しな2匹だけど、実はつらいことがあった。メイがねてるときにこっそりガブが出かけていき、のねずみや鳥などを食べにいってることだ。メイに気をつかってるのはわかるが、すきになれないのだ。さらに、ガブはこんなことを言い出した。 「あぶらののったヤギの肉を食べる夢を見て。これ以上、一緒にいたら何するかわからない。がまんしてるあいだにはやくどっかにいってくれ」 食べられたらかなわないと、メイは逃げだした。
でも、これはガブのしばいだった。うしろはオオカミのむれ、前はふぶき。メイは自分のむれにかえるのが安全と考えたのだ。 1人になったと思ったガブだったが、メイは仲間のもとへなんかもどっていなかった。 「わたしだって、かくごをきめていっしょにきてるんです。なんでも話せるのが、ほんとうの友だちじゃなかったんですか」
山をのぼる2匹の心はひとつになっていた。雪をふみしめながら、すすみつづけた。おおかみたちがおってきてるかもしれないし、もう引き返すことはできない。 強いふぶきにメイがくずれおちた。ガブはけんめいに穴をほり、メイを中に入れてあっためた。しかし、何日もふぶきはやまなかった。食べるものもなく、このままうえじにしてしまうのだろうか。
メイは、自分を食べてガブだけでも生きのびるように言った。 とは言っても、ガブはメイのことを食べれるわけはなかった。穴から出て、メイのために草を探しはじめた。その時、オオカミのむれがのぼってくるのが見えた。 ガブはメイのために命をかけて、オオカミたちのもとへさけび声をあげながら、かけおりた。ガブのからだはころがって白いかたまりとなり、小さななだれがおきた。やがて大きな山のあらしとなって、すべてをあらいながした。
メイがあなから顔を出すと、うそのようにふぶきがやんでいて、目の前には森が見えていた。もう山を越えていたのだ。 「ガブ~、はやくおいでよ~」 メイは、いつまでもいつまでもさけび続けていた。 |
ガブの行方がわからなくなってしまった・・・メイはいったいどうなってしまうのでしょう?
前作に続いて、今回も続きが気になってしょうがない終わり方ではないでしょうか。
また二匹は出会えるのか、それとももう二度と会うことはできないのか、どちらの未来も想像できて気持ちがそわそわしてしまいます。
このお話の続きはこちらでまとめています!
「ふぶきのあした」読書感想文
この絵本を読んでとても心が動いたのは、メイがガブに自分のことを食べるように言う場面だった。相手のことを心から大事に思っていないと、言えるものじゃないと思った。
2匹は、山をこえようとがんばっていたけれど、ひどいふぶきのため、穴の中で何日もいなければいけなかった。しかも、食べ物もないので、お腹がすいていてもじっとがまんするしかなかった。このままうえじにしてしまうかもしれない、そんな時だった。
メイはガブに、自分を食べて私の分も生きてほしいと言ったのです。それを聞いたガブはびっくりしながらも、食べるとは言わなかった。それだけじゃなく、
「もう、どっちが生きのころうと、いっしょにうえじにしようと、そんなこと、どうでもいいんでやんす。」
と言った。
もしも、ガブがメイを食べてしまったら、メイといっしょにいれなくなる。そうなるくらいなら、2匹一緒にうえじにしてもいいということなのだろうと思う。おたがいが自分の命よりも相手の命を一番に考えている、2匹はとてもよく似ているなと感じる。
子どもがあぶない目にあうと、親はきっととんできて助けるだろう。親子ならたぶん当たり前かもしれないが、誰でも命をかけて助けるかと言うと、それはちがってくると思う。とくに、メイとガブはヤギとオオカミ、ふつうならてき同士の動物だ。だけど、メイとガブはかるがるとそのかべを超えている。
言うだけじゃなく、ガブは命をかけてメイを助けている。オオカミが近づいてくるのを見つけたガブは、メイを守るためさけびながらかけおりていった。ガブの体がころがり、大きななだれをおこして、オオカミたちといっしょにガブもいなくなってしまった。命をかけてメイを守ったのだ。
最後、ガブがどうなってしまったのか、はっきりとわからないままお話は終わってしまった。メイとまた会うことができたんだろうか。たぶんオオカミたちといっしょに雪にのみこまれてしまったのかなと思うけれど、何とか助かっていてほしいというのがぼくの正直な気もちだ。そして、またメイと会えたらいいなと思った。
「ふぶきのあした」読み聞かせ動画
「ふぶきのあした」はあらしのよるにシリーズの中でも、とくに感動的なお話だと思います。
すごく感情のこもった声なので、ぐっと引き込まれてしまうのではないでしょうか♪穴の中でのメイとガブの会話は必見です☆
「ふぶきのあした」の最後!ラストは餓死?それとも生きてる?
この話の結末が気になるという人は多いのではないでしょうか。
ガブはメイを守るためオオカミに立ち向かい、なだれにのまれて行方がわからなくなってしまいました。メイはガブのおかげで無事に助かります。そして、「ガブ~」といつまでも叫び続けた・・・。
これで物語が終わってしまいます。
いったい、ガブはどうなってしまったのでしょうか?
「雪にのみこまれて助からなかったの?」
「ケガをして動けなくなって、餓死してしまったの?」
といった悪い未来をしてしまったり。
もしくは、
「何とか生きのびて、メイとめぐり会うことができた」
といった良い未来を想像したり。
どちらの未来も想像できてしまうんですよね。実際はというと、、、
ガブは生きています!!
しかも、メイと再会します!
というわけで、ガブが死んでしまうということはありません。「ふぶきのあした」が発売された当時はガブが生きてるかどうかはわからなかったのですが、
後に出版された続編「まんげつのよるに」は、メイとガブが出会う物語だったからです。
ただ、再開してよかった~で終わらないのがこのシリーズ。ガブにはある変化があって…
ネタバレになってしまうので、詳しくはぜひ続編をご覧になってみてください。
「ふぶきのあした」名言集
ここでは、絵本に出てきた名言をご紹介します☆
シリーズの中でもとくに感動作と言われている「ふぶきのあした」、心に残る言葉がたくさんつまっています。
私がとくに心動かされた、メイとガブの感動的なセリフはこちらです。
「なんでも話せるのが、ほんとうのともだちじゃなかったんですか。」
「こんやは、あんたと、こんなきれいな月が見られて、さいこうの夜でやんす。」
「わたし、ガブと出会って、しあわせだと思ってるんです。いのちをかけてもいいと思える、ともだちに出会えて。」
「どっちが生きのころうと、いっしょにうえじにしようと、そんなこと、どうでもいいんでやんす。」
「いのちだって、いつかはおわりがくる、でも、わたしたちが出会えて、ともだちだったことが、きえるわけじゃないって……。」
「いのちをかけてもいい、ともだちか。」
「ふぶきのあした」あらすじ・感想文 まとめ
以上、「ふぶきのあした」のあらすじ・読書感想文でした!
子ども向けの絵本と思いきや、大人もしっかり引き込まれてしまうとても感動的な内容だったのではないでしょうか。
感想文を書く際は、
- 本当の友だちとは?
- 命について
- ガブが最後どうなってしまったのか?
などのポイントをよく考えることで、あなたらしい感想文になると思いますよ☆
シリーズ6冊目と物語も終わりが近づいてきました(全7作)!1作目から振り返っておきたいという場合はこちらをどうぞ。
2匹の出会い、そして仲が深まっていく過程をあらためて読むと、7作目「まんげつのよるに」により深く入り込むことができますよ☆
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