「チックタック~約束の時計台~」あらすじ・読書感想文

感想文
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にしのあきひろさんの絵本「チックタック~約束の時計台~」は、大人も感動できる素敵な作品です。私も、最初読んだ時はラストでうるうると来ました。

☑本記事のポイント

  • 「チックタック~約束の時計台~」あらすじ
  • 「チックタック~約束の時計台~」読書感想文
  • 「チックタック~約束の時計台~」朗読動画(戸田恵子さん)
  • 「チックタック~約束の時計台~」音楽

絵本の内容・チックタックの魅力をサクッと知りたいなら、ぜひご覧になってみてください(^^)/

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「チックタック~約束の時計台~」あらすじ(ネタバレあり)

【現在】

町のはずれにある森の中にある、11時59分で止まっている時計台。そこには、ヘンクツジジイのチックタックが住んでいます。

役場の男が修理をしようとやってきても、チックタックは「こわれてなんかおらん」と男に時計をさわらせません。

 

【チックタックが若い頃のお話】

チックタックは若い頃、時計台に住み込みで働いていました。そこへ、孤児院にいるニーナという女の子が遊びにやってきました。やがて、チックタックとニーナは毎日のように会ってたくさん話をするようになりました。

いつも待ち合わせ時間に来るニーナはチックタックに「アウト?」と聞くと、「ギリギリセーフ」と笑顔で返す仲良しの2人。

 

ある日、ニーナは自分のうでにヤクの木が生えてることを明かします。呪いの木はどんどん育ち、やがて木になってしまうのです。チックタックは「大丈夫」とニーナを励まし、「夜12時に鳴る鐘の音を時計台で一緒に聞こう」と誘います。孤児院には門限があるけれど、来月院長先生がるすにする1か月後に抜け出して会う約束をしました。

 

しかし、その3日後に町に火の鳥がやってきて、火の雨をふらせました。町のみんなは地下へ逃げてましたが、何とニーナが見つかりません。チックタックは炎をかきわけ、必死に探しますが見つかりません。

三日三晩経ってもニーナは見つからず、チックタックは時計台に閉じこもりました。ニーナの葬儀が終わっても、「ニーナは死んでいない」と誰の声にも耳を貸しませんでした。

1か月後。時計の針が夜12時をさそうとした瞬間、時計台のすべての歯ぐるまが止まり、鐘の音は鳴りませんでした。調べてもどこも故障はしていません。それから何年も、時計の針はニーナとの約束の時間をさすことはなく、11時59分で止まったままでした。止まったのではなく、約束の12時を待っていたのです。

 

【現在】

チックタックは、故障していないのだからと役場の男を帰らせようとすると、男は正体を明かします。ニーナの主治医をしていた医者でした。しかも、あの火の雨の日にニーナは死んではいないと言うのです。

生きていたのにニーナが戻って来なかった理由は、その病気が人にうつるものだとわかったから。火の雨がふった夜、ニーナは呪いの病をひとりで負うと決めました。そして、何年も呪いの病と戦いつづけていたのです、チックタックを思いながら。

「会いたかった」

チックタックがそう言うと、医者はこう言いました。

「そのことばは、ご本人いってあげてください」

驚いたチックタックに医者は、ワクチンが開発されてまだ体に木は残っているけれど、病は完治していることを伝えました。

 

そのとき、時計台の階段がきしむ音。

ふりかえると、ニーナが立っていました。

自分のことを何年も待ってくれているなんて思っていなかったニーナは、チックタックにあやまります。

「だいじょうぶだよ、ニーナ。約束の12時は、まだきていない」

そのとき、時計台の歯ぐるまがいっせいにまわりだしました。

「ニーナはいつも待ちあわせ時間ギリギリにくるなあ」

「アウト?」

チックタックは笑顔でこたえました。

「ギリギリセーフ」

「チックタック~約束の時計台~」読書感想文

チックタックのまっすぐな生き方を知って、自分はどんな風に生きていくのがいいのだろうと、生き方について考えた。ひとつのことを思い続けることの素晴らしさ、同時にそれはとても難しくて怖いことだとも感じた。

 

時計台に住むチックタックはへんくつなおじいさん。11時59分で止まった時計を壊れていないと言い張っている。でも、その理由を知って、私はとてもきれいな心を持った人だと感じた。大好きなニーナのことを思いながら、ずっと一人で待ち続けていたのだから。

 

チックタックが若い頃、好きだったニーナと夜12時に時計台で待ち合わせの約束をした。でも、その約束は実現しなかった。町が火事になり、ニーナの姿がそれっきり見えなくなったからだ。みんなはニーナは死んでしまったと考えていたけれど、チックタックだけはニーナはきっと生きていると言い張った。

だけど、本当のところはチックタックもニーナはもう生きていないと考えるのが自然だと思っていた。ただ、ニーナの死を受け止めるのがつらいチックタックは自分のからに、時計台に閉じこもるようになったのだ。

 

チックタックはみんなからへんくつだと言われようとも、ニーナのことだけを思い続けていた。これは誰にだってできないと思う。いや、時間が経つにつれて忘れてしまうのが普通かもしれない。忘れてしまって次へ進むほうが楽だからだ。周りの人にノーと言われたら、私なら「たしかにそうかも」と流されてしまう自信がある。大人の人、とくに先生や親が言うことは何となく納得しそうな気がする。それらに反発するのはすごくエネルギーがいるし、みんなから変だと思われる怖さもある。

 

そんな気持ちなんか全部はねのけて、おじいさんになるまでニーナを待ち続けたチックタック。ぶじニーナと再会した場面は印象的だった。時計台の鐘が鳴って、チックタックの今までの長い時間が全部むくわれて、とても感動した。信じることはすてきなことだと思った。

 

けれど、よく考えるとこわくなった。ニーナが無事ではなく2人は会えなかったという可能性もあったかもしれない。その場合、チックタックの人生は何だったのだろうとなってしまう。ずっと耐えている辛い時間があまりに長すぎて、最後までむくわれない。こうなっていてもおかしくはなかった。実際、チックタック本人もニーナはもういないと心の奥では考えていた。

 

何かひとつのことを信じ続けることは、本当にドキドキする。全部がチャラになって明るい未来がやってくるはずと思えるから。でも、うまくいかない場合もあるわけで、そう考え出すと怖くなる。どちらの道を選ぶかは人それぞれだろうけど、自分が決めた道が正解なんだと信じて続けることが大事だと思った。

「チックタック~約束の時計台~」朗読

戸田恵子さんによる朗読です。

チックタックの読み聞かせ動画はいくつも挙がっていますが、こちらが断トツでおすすめです。

お話を知っていても、あらためて感動しました。女優さんのすごさに圧倒されること間違いなしです。

「チックタック~約束の時計台~」音楽

この曲を聞いた率直な感想は、とても気分がスーッと落ち着くような曲だと感じました。心地よくて落ち着くメロディ、でもその奥にエネルギーが凝縮されているような、そんな印象。

この楽曲を作ったのは、映画『えんとつ町のプペル』の音楽チームでもある渡邊崇さん・YHANAELさんのお2人です。

曲が作られた経緯など詳細については、こちらで詳しく書かれていますよ。

キングコング西野亮廣作品の世界を作る音楽チーム

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「チックタック~約束の時計台~」まとめ

以上、「チックタック~約束の時計台~」あらすじ・読書感想文についてでした。

チックタックの人生を通して、周りの人に流されず何かを信じ続けることの素晴らしさが描かれた、感動的なストーリーの絵本です。大人が読んでもしっかり感動するのではないでしょうか。

ただ、読書感想文でもふれていますが、信じ続けることの素晴らしさと同時に怖さも想像してしまいました。願った通りになることもあればならないこともある。絶対なんてことはないですから。

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感想文を書く際には、そういった点からも書くとより深みがでます。よければ、そんな視点も取り入れてみてください。

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