「世界から猫が消えたなら」あらすじ・読書感想文

感想文
Sponsored Link

川村元気さんの小説『世界から猫が消えたなら』は映画化もされた大ベストセラーです📖タイトルも”どういうこと?”ととても気になるし、表紙の猫にも思わず目がうばわれる本ですよね。

佐藤健さん、宮崎あおいさんらが出演していた映画をご覧になった人も多いのではないでしょうか。

そんな「せか猫」ですが、原作のほうもとても感動する一冊となっています♪

ふだんあまり強く意識することのない”死”について、深く考えさせられる内容となっていて、読書感想文の題材としてもおすすめです。

本記事では、読書感想文をスムーズに書けるように、

 

  • 簡潔なあらすじ(ネタバレあり)
  • 読書感想文の例文

 

をご紹介しています。感想文の書き方としては、”死”について考えながらも、そこから感じた”生”についての前向きな思い・抱負で締めくくるのが、書きやすいのではないかと思います。

感想文を書く際の参考になれば幸いです☆

Sponsored Link

「世界から猫が消えたなら」あらすじ (ネタバレ)

これは、僕があなたに宛てた最初で最後の手紙になります。

僕は七日前、病院で末期ガンだと申告された。
余命わずかだと知り、意外と冷静に帰宅すると、いっしょに住んでいる猫「キャベツ」他に、僕と同じ顔をした悪魔が居た。服がアロハシャツなので、以降は「アロハ」と呼ぼう。

 

アロハは、僕の寿命がなんと明日までだということを教えてくれた。何かを消す代わりに、寿命を一日伸ばしてくれるという。

消すものの決定権はアロハにあり、最初はチョコレート……ではなく、電話を消すことになった。

電話のない世界は、とても穏やかだった。
電話を消す前、最後に一人、かけたい相手を選び、電話した。
何かを消す前には、一回使う猶予が与えられるのだ。
待ち合わせの時間を勘違いした僕は、待つ間困ってしまい「不便だ」と口にした。彼女が来たのは、その一時間後だった。

昔付き合っていた彼女は、映画が大好きで、今は映画館の上に住んでいるという。もうすぐ死ぬことを告げたが、彼女はすごく冷静であった。
死ぬのなら、明日映画館で見たい映画をかけてあげると、彼女は約束してくれた。

 

次に消されることになったのは、映画だった。
僕は旧友で映画オタクの「ツタヤ」に会いに行き、一本の映画を選んだ。
その夜、彼女の働く映画館に行くと、なんとDVDパッケージにディスクが入っていなかった。
僕は仕方なく、自分の人生の価値を考えながら、真っ白なスクリーンを眺めた。

 

時計が消えるとどうなるのか。
時間の概念がなくなる。
アロハのいたずらで突然喋るようになったキャベツ。死んだ母さんの話をしてみたが、全く覚えていないと言うので、僕は愕然とした。母さんは、キャベツとあんなに時間を過ごしてきたのに。

僕が何気なく過ごしてきた時間が、とてつもなく大切なものに思えてくる。
写真は最後の家族旅行で撮ったものだった。そして、思い出した。この旅行は、母さんが僕と父さんに仲直りして欲しかっただけなんだと。

 

アロハはとうとう、この世界から猫を消そうと仕掛けてきた。僕は悩んだ。すると、またキャベツが喋れるようになっていた。悩んだ末、僕は猫を消さないことに決めた。

つまり、僕は死ぬ。

 

身辺整理をしながら、宝箱にしまっていた切手を見つけ、自分が郵便配達の仕事を始めた理由を思い出した。

僕は手紙を書くことにした。でも誰に書くべきなのか。
僕は決めた。手紙を出す人は、キャベツを預ける人にしようと。

キャベツの名付け親は、父だった。
キャベツを預けるのは、父しかいなかったのだ。

僕は白い便箋を机の上に置き、ペンを持つ。
そして一番上に書く。

父さんへーー

「世界から猫が消えたなら」読書感想文

人生って、なんだろう。この本を読んでから、そんなことばかり考えている。自分がもしガンになったら、明日急に死ぬかもしれないことになったら。

今日この瞬間から、残された時間を誰とどう過ごすのだろうか。それに、何か消したら一日寿命が延びるとは。そんなこと言われて、わたしは何かを消す勇気があるんだろうか?

 

今ははっきり「ない」と言えるけど、しかし「僕」のように死が目前にあるとなると、何かを消してしまえるような気持ちがあふれてくるのかもしれない。なにせ、自分がこの世界から消えてしまうのだ。

 

「僕」に消されていくものたちは、あってもなくてもよいぎりぎりの境にあるものばかりで、いざ消えてみると確かに問題なく過ごせたりする。

最初候補に上がるだけに終わったチョコレートに、電話、映画、時計、そして猫。わたしは最初のチョコレートが出てきた段階で「いやそれは無理……!」と声に出してしまったが、悪魔のアロハも同じ感想で笑ってしまった。

 

最近はスマホが「人生のリモコン」なんて呼ばれたりもするけれど、やっぱりないならないでなんとかなる。友だちとは学校で合えば済む話だし、待ち合わせもルールを決めておけば、ちゃんと会える。

映画は楽しいし素晴らしい文化だけど、やっぱりなくなってしまうとなれば、見ないだけで死にはしないのだ。そんなふうに考えていたら、人生っていらないものだらけのような気がしてきてしまう。

そして時計。時間の概念がなくなるのは確かに不安だけど、それもまた、ルールがなくなるだけのことなのだ。昔の人は日の動きや風、空の模様でざっくりとした生活をしていた。それでも、まだ時間の概念はあるように思える。それくらいで、十分なのかもしれない。

 

だけど、家族はどうだろう。

「僕」は猫のキャベツを、ただの猫としては見ていなかった。猫だとか人だとか、そういう概念をとっぱらって家族なのだ。大事な母さんと、父さんとの思い出と繋がる、大事な家族のキャベツ。世界から自分が消えてしまったとしても、構わない。わたしも猫を飼っていたけど、同じことを悪魔に誘われたら、たぶん断るだろう。

「僕」は猫を消さないと決めたあと、何も消さなくてよいことに安心していた。結局、家族ではないにせよ、世界に存在しているものたちを消すことは、苦しいことだったのだ。

みんな、それぞれ存在する意味を持って、この世界にある。自分も、猫も、チョコレートのようなあってもなくてもよいかもしれないように感じるものも。

 

チョコレートがあれば、チョコレートで仕事をする人が生まれ、チョコレートで喜びや悲しみを得る人がいる。携帯があれば、急なことが起きた時、家族や友達に助けを求められるかもしれない。映画があれば、大好きな人と約束をつけて、告白をするきっかけ作りができるかもしれない。時計があれば、何かに取り組むとき、時間を決めて無理せず動けるようになる。そして猫がいれば、かけがえのない家族になり、心を癒してくれたり、家族を繫ぎ止めるかすがいになってくれたりする。

 

誰かと喧嘩したり、嫌なものを見かけたとき。どうでもいいものがあるなあと思ったとき。「会いたくないなあ」だとか、「嫌だなあ、どっか行かないかな」「無くならないかなあ」なんて思ったりすることがある。

そんなときは、どれも何か意味があって存在しているのだということを思い出す。わたしもまた、きっとどこかで何かに、誰かにとって、意味のある存在に違いない。そんな思いを胸に、心をほぐして、生きていってみようと思う。

Sponsored Link

あらすじ・感想文まとめ

「世界から猫が消えたなら」の簡潔なあらすじ・読書感想文を見てきましたが、いかがでしたでしょうか。

余命わずかだと宣告された主人公は、大事なものをひとつ消すごとに寿命が一日だけ伸びるという設定でしたが、”自分ならどうするだろう?何を消してもらうだろう?”といろいろ想像がふくらみますよね。

考えているうちに、意外といらないもので溢れていることに気づきだします。そして、

「本当に大事なものって何だろう?」

となり、そこから”理想の生き方”や”生きている理由”などにつなげていくと、まとまった読書感想文になりやすいと思います。

ぜひ、感想文の例を参考にしつつ、あなたらしい読書感想文を書いてみてください(^^)/

Sponsored Link

コメント

タイトルとURLをコピーしました