D・カーネギー「人を動かす」から、「人を動かす三原則」の内容をポイントごとに簡潔にまとめています。
☑本記事の内容
「人を動かす三原則」の要約~D・カーネギー「人を動かす」~
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ではそれぞれ詳しく見ていきましょう。
盗人にも五分の理を認める
☑ポイント
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この章では、強盗犯や殺人犯といった凶悪な犯罪者が自分のことをどう思っているかが、例を挙げて説明されています。
例えば、大勢の人を殺した殺人鬼クローレーの最後の言葉を見てみましょう。
「自分の身を守っただけのことで、こんな目にあわされるんだ」
驚くべきことに、自分が悪いと全然思っていなかったのです。こんな考え方をする犯罪者は珍しくなく、むしろ自分のことを悪人と考えている受刑者はほとんどいません。彼らは、善良な一市民と同じで、なぜ犯罪を犯してしまったのかを実にうまく正当化するのです。
極悪人でも自分が正しいと思いこんでいるのなら、一般の人間は自分のことを、いったいどう思っているのだろうか?
当然ながら、誰しもが自分を正当化する理由を持っており、人を非難・批判したり苦情を言ったりすることは無益なこと。その代わり、相手を理解しようと努めることで、同情・寛容・好意が自ずと生まれでてくるのです。
重要感を持たせる
☑ポイント
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人間には、食欲・睡眠欲・性欲等いろいろな欲求がありますが、めったに満たされることがなく根強い欲求が”自己の重要感”です。これを満たすことができる人のみが、他人の心を手中に収めることができるのです。
この方法を活用し人を扱う名人だったチャールズ・シュワッブは、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーにUSスチール社の社長として迎えられました。シュワッブが若干38歳の時でした。彼が成功を収めた理由について、次のように言っています。
私には、人の熱意を呼び起こす能力がある。(中略)私は決して人を非難しない。人を働かせるには激励が必要だと信じている。だから、人をほめることは大好きだが、けなすことは大嫌いだ。
シンプルな内容ですが、これを常に実行できている人はなかなかいないのが現実です。また、シュワッブは、部下だけでなく、どんなに地位の高い人でも、ほめられて働くほうがいい結果につながるとも考えていました。
ほめると言っても、軽いお世辞では通用しないケースも多々あります。そんな時は、「相手の自己評価にぴったり合うこと」を見つけて、本心から言ってあげるのがポイント。コツは、相手の長所を探すこと。普段から長所を探すようにし、嘘でない心からの称賛を与えましょう。
人の立場に身を置く
☑ポイント
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人を動かす時に忘れてはいけないのは、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてあげることです。「釣り針には魚の好物をつけるに限る」のと同じように。
例えば、アンドリュー・カーネギーにこんな話があります。
カーネギーの義妹には、大学生の息子2人がいましたが、心配して手紙を書こうにも全然返事をよこさないと悩んでいました。そんな息子2人に、カーネギーは手紙を書き、返事を出させることに成功したのです。しかも、「返事をくれ」とも書かずに。
手紙の内容はとりとめもないことでしたが、追伸に「2人に5ドルづつ送る」と書き、その金は同封しなかったのです。甥達からは、すぐに感謝の手紙が来たのは言うまでもありません。
子どもの偏食がひどいことで悩んでいた親の話です。
「お母さんは、坊やにこれを食べてもらいたいの」「お父さんは、坊やが体の立派な人間になってもらいたいんだ」など、小言ばかり言ってました。当然、子どもの偏食は治りません。
子どもは三輪車で遊ぶのが大好きでしたが、近所に手に負えないガキ大将がいて、そいつが三輪車を取り上げて乗り回すということがよくありました。
そこで、両親は息子の立場になり、同時に自尊心を満たす言葉をかけたのでした。「何でも食べさえすれば、今に、あの子よりも強くなるよ」と。偏食の問題は、たちまち消えてしまったのです。
「まず、相手の心の中に強い欲求を起こさせること。これをやれる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、一人の支持者を得ることにも失敗する」
人を動かす三原則(D・カーネギー「人を動かす」)まとめ
以上、「人を動かす三原則」の要約でした。
三原則すべてに共通するのが、
”相手の立場になって考えよう” |
ということです。
当たり前のようなことかもしれませんが、しっかり実践することは難しいことです。「人を動かす」にはさまざまな方法が解説されていますが、すべての基本はこの三原則。まずは、ここを重点的に意識していきたいところです。
この続きは、【要約】「人に好かれる六原則」内容まとめで解説しています。
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