D・カーネギー「人を動かす」から、「人に好かれる六原則」の内容をポイントごとにまとめています。
本記事のポイント
「人に好かれる六原則」要約~D・カーネギー「人を動かす」~
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それぞれ詳しくご紹介します。
誠実な関心を寄せる
☑ポイント
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他人に誠実な関心を寄せることが大切です。このことを教えてくれる先生は、犬です。近づくと尾をふりふりし、なでてやると夢中になって好意を示す犬は、ただ愛情を人に捧げるだけで生きていける数少ない動物です。牛は乳を出し、鶏は卵を生まないといけないのとはちがうのです。
心理学者アルフレッド・アドラーの言葉です。
「他人のことに関心を持たない人は、苦難の人生を歩まねばならず、他人に対しても大きな迷惑をかける」
他人に関心を寄せることがどれほど大切か、こんな例があります。
ナフルという男は、あるチェーンストアへ石炭を売り込もうとしていましたが、何年もうまくいきませんでした。チェーンストアでは燃料を市街から買い入れてたこともあり、ナフルは快く思っていませんでした。しかし、売り込みは一生懸命続けていたのです。
そんな時、ナフルは”チェーンストアの普及は国家にとって果たして有害か”という討論会に出ることになりました。
ナフルはチェーンストアに行き、「今日は石炭の売り込みに来たのではありません。実は、チェーンストアについていろいろ教わりたくて、あなたより他に適当な人はいないと思い、お願いにあがったわけです」と言ったのです。
すると、1分間だけとの約束だったのが、相手は熱弁してくれ2時間近くも話し続けたのです。そして、別れ際に一言。「春になったら、またいらしてください。石炭を注文したいと思いますから」
しかし、これは何も目新しいことでもありません。紀元前100年にすでに、ローマの詩人パブリアス・シラスが次のように説いています。
「我々は、自分に関心を寄せてくれる人々に関心を寄せる」
笑顔を忘れない
☑ポイント
心からの笑顔を無償で与える |
笑顔には特別な力があります。心からの笑顔は、相手に対しての好意・会えた喜びなどプラスの感情を言葉よりも雄弁に伝えます。仕事の成功、人間関係には笑顔は欠かせません。
でも、笑えないほどつらい状況な時もあります。
そんな時こそ、楽しそうに快活そうに笑顔をつくることで、精神状態を良い方向へ向かわせる効果があります。感情は、動作を調整することで、間接的に調整することができるのです。
買うことも、強要することも、借りることも、盗むこともできない笑顔はかけがえのないもの。当然ながら、心にもない笑顔、機械的な冷たい笑顔はいけません。むしろ、逆効果です。心からの笑顔を無償で与えてこそ、意味があるのです。
名前を覚える
☑ポイント
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普通、人は他人の名前など気にもとめないですが、自分の名前になると話は別です。名前を呼ぶことは、下手なお世辞よりもよほど効果があるのです。
アメリカの郵政長官を務めたジム・ファーレーの例です。
ジムは貧しい子ども時代を過ごし、仕事で学校に通う暇はありませんでした。しかし、46歳の時には4つの大学から学位が贈られ、民主党全国委員長、そして、郵政長官へと昇っていきました。
その成功の秘訣は、5万人以上の名前を憶えていたことです。いいえ、名前だけでなく、家族、職業なども頭に入れていました。そして、次に会った時(たとえ一年後でも)、その人の妻や子どものこと、庭の植木のことまで尋ねたりすることができたのです。支持者が増えないわけはありません。
他の例として、
- フランクリン・ルーズベルトがたまたま出会った一介の機械工の名を覚えるために時間を割いてた。
- 鉄鋼王カーネギーが自分のもとで働いている労働者の名前を覚えることを誇りにしていた。
など、人を動かす立場の人々のエピソードが紹介されています。
有権者の名前を覚えること―それが、政治的手腕というものである。それを忘れることは、すなわち、忘れられることである
相手の名前を呼ぶことは、相手に重要感を持たせることに他なりません。名前を覚えることは、ビジネス・友人関係・政治活動など、すべての人間関係に当てはまる大切なことです。
聞き手にまわる
☑ポイント
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相手の話をよく聞くことの大切さについて、多数の例を挙げて説明されています。
例えば、カーネギーがあるパーティーである有名な植物学者と会話した時のエピソードです。カーネギーは、珍しい植物や、新種を作り出すさまざまな実験についての話にすっかり魅せられました。他にもパーティー参加者は10数名ありましたが、何時間もその学者と話し続けたのです。
パーティーの帰り際、その植物学者は家の主人に向かって、カーネギーのことをほめちぎり、”世にも珍しい話し上手”と言われました。でも実際は、植物学に無知でしゃべろうにもしゃべれなかったのです。ただ、話が面白くて夢中になって聞いていただけだったのです。
ジャック・ウッドフォードにこんな言葉があります。
「どんなほめ言葉にも惑わされない人間でも、自分の話に心を奪われた聞き手には惑わされる」
関心のありかを見抜く
☑ポイント
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人の心を捉える近道は、相手の最も関心を持っている問題を話題にすることです。
例えば、セオドア・ルーズベルトは、どんな来訪者が来てもその人に適した話題を持ち合わせていたと言われています。多忙な中、前の日の晩に時間を割いてしっかりと準備していたからです。相手の関心のある話をすることは、それだけの価値があるのです。
他に、求職や営業などいろいろな場で、この法則が役にたった事例が挙げられています。
相手の関心を見抜き、それを話題にするやり方は、結局、双方の利益になる。
心からほめる
☑ポイント
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誰しも、見え透いたお世辞は聞きたくないですが、心からの称賛には飢えています。だからこそ、心から本音で誉めることはとても大切です。それは、相手の重要感を満たすことになるからです。
人間関係の法則について、はるか昔から伝えられている教訓があります。孔子、老子、釈迦、キリストなどなど、彼らは同じ意味のことを説いています。キリストの言葉を例に挙げてみましょう。
「すべての人にせられんと思うことは人にもまたそのごとくせよ」
心からほめられた人たちが相手にどんな対応を取ったのか、称賛の原則を使い成功を収めた複数の人物の興味深いエピソードが紹介されています。
「人に好かれる六原則」まとめ(D・カーネギー「人を動かす」)
以上、「人に好かれる六原則」の要約でした。
人に好かれるための6つの方法を見てきましたが、このどれもに共通して言えるのがこちらです。
☑ポイント「人に好かれる六原則」
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いかに相手に気分良くなってもらうかが重要です。
”相手に関心を寄せ、聞き手に回り、時々名前を呼びながら、笑顔で話す”ことを実践してみてはいかがでしょう。ひとつひとつはシンプルですが、全部を自然にできるには普段からの継続が必須です。
この続きは、【要約】「人を説得する十二原則」内容まとめにて解説しています。
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