宮沢賢治「よだかの星」あらすじ・読書感想文

感想文
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「よだかの星」は、小学校の教科書にも採用されていたこともあり、宮沢賢治の短編の中でも有名な作品のひとつです。

主人公のよだかは容姿がみにくくて、周りからひどい仕打ちを受けているのですが、この描写が今でい言う”いじめ”などを連想させます。鳥のお話ではありますが、人間だってよく似たようなことをしているかも。そんな風に読むと、感想文がとても書きやすくなる作品だと思います。

 

本記事では、

  • あらすじ(簡潔で結末までわかる)
  • 読書感想文

をご紹介しています。あなたが読書感想文を書く際のヒントになれば嬉しいです☺

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あらすじ

よだかは、実にみにくい鳥だ。

顔は所々味噌をつけたようにまだらで、くちばしはひらたくて、耳までさけている。よだかは、他の鳥たちから避けられたり、陰口を叩かれたりしていた。

よだかの名前に「鷹」が入っているのには、わけがあった。一つはよだかの羽が強くて、風を切って翔けるとき。もう一つは、鳴き声が鋭いこと。この二つが鷹に似ていたからだ。鷹はこれを非常に嫌がっていた。

 

ある夕方、とうとう鷹がよだかのうちへやってくると、名前を変えてみんなにお披露目しろと言い出した。よだかは嫌がったが、鷹はよだかを脅して巣の方へと帰っていった。

よだかは、じっと目をつぶって考えた。(いったい僕は、なぜこうみんなに嫌がられるのだろう)

つらい思い出を様々に思い出し、よだかは薄暗い空を飛び回っていた。すると、カブトムシがよだかののどに入って、ひどくもがいた。無理やり飲み込むと、よだかは急に胸がどきっとして大声で泣き出した。

(ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ)

よだかは、弟のカワセミのところに挨拶に行き、遠い所へ行くことを話すと、家に帰った。

 

次の日から、よだかはその身を焼くために、空高く飛び続けた。

「どうか私をあなたの所へつれてって下さい」

けれども、お願いされたお日さんも星たちも、みんなよだかの願いを叶えようとはしなかった。

鷹のように高く叫び、飛び続けるよだかは、羽が痺れるまで高く飛び続けた。
やがて落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているのか、上を向いているのかも、わからなくなった。

 

それからしばらくたって、よだかははっきり眼を開いた。自分の体が青い美しい光になって、静かに燃えているのを見た。すぐ隣はカシオピア座で、天の川の青白い光が、すぐ後ろにあった。

そして、よだかの星は燃え続けた。いつまでもいつまでも燃え続けた。今でもまだ燃えている。

読書感想文

誰かと比べてしまうと、どこか心がつらいことになってしまう。

例えば、あの子は綺麗な髪をしているけれど、自分の髪はくせっ毛だとか、肌が汚いとか。見かけだけ見ていくと、どんどんと暗い気持ちになってしまうのは、よだかも人も同じだと思う。

 

これを責めてくる鷹は、非常にどうもうで、優しいところがないように感じる。だけど、この鷹がよだかに「鷹」の名前が入っていることを嫌がるのは、どこか自分の自信がゆらいでしまうのを、防ぐためのような気がする。

よだかと比べられて、自分が弱くなってしまうのを、恐れているのではないだろうか。そう考えると、鷹もまた、よだかと変わりない、心の優しい鳥だということになる。みんな誰だって、自分と他人とを比べられるのは、苦しい。

 

よだかはその苦しさから、自分を燃やしてしまおうとする。だけど、どの星たちにもお日さんにも、断られてしまい、最後には自分で飛び続けて力尽きることで、納得していた。自分の命を、輝く星のように燃やすことで、納得できたのだと思う。

他と比べられるのならば、自分が行けるところまで行って、燃え尽きよう。そんなよだかの覚悟と死ぬほどの努力が、最後のシーンから感じ取れた。だけどこれは、どうにもポジティブな最後には見えなかった。

 

学校やどこかで起こる「いじめ」というのは、まさにこの『よだかの星』の物語そのものだと感じる。ロックオンされた子がいじめられ、周りの子もそれには触れず、ただ避けるようになったりする。

中には、よだかの弟のようにちゃんとその子の話を聞いて、手助けしようとしてくれるような人もいるだろう。

 

いじめられている人は、時によだかのように自己嫌悪に悩まされることがあるかもしれない。だけど、自分が悪い、ではなく、自分は自分でよいのだと思う。

このいじめからどう脱したらよいのか?

どこかに味方になってくれる人はいないか?

そんな風に、ポジティブに考えて、自分を責めず明るく生きる方法を探すのが良いのではないだろうか。

 

実際、そんなに簡単なことではないのだろうとも思う。いじめられる人というのは、大体がよだかのように心が優しく、人目を気にしたり、周囲への気配りができるような気がするからだ。だから、周りにあまり心配をかけないようにと、自分ひとりでかかえこんでしまうのではないだろうか。

よだかは最後、自分の命の終わり方に納得をしているけれど、残された弟たちはどう思うのだろう。

 

人と人との付き合いには、どうしても比較がついてくる。自分たちが持っているものや、服、住んでいる場所まで、細かなところも比較の対象になるのが現実だ。どんな時でも、人は人、自分は自分で、自分が本当にしたいのは、どんな生き方だったかな?自分は自分で、いいじゃないか。そんな考え方を、大事にして生きていきたいと思った。

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「よだかの星」まとめ

宮沢賢治「よだかの星」、あらすじ・感想文を見てきましたが、どんな風に感じましたでしょうか?

とくに、ラストのよだかが空高く昇っていく描写は本当に印象的で、いろいろ感じたことがあるかと思います。よだかが見つけたこの答えは、”納得できる””他に解決策はなかったの?”など意見が分かれるところですよね。

 

この作品のキーワードに”自己犠牲”が言われますが、よだかは生きていくことに絶望し、空高く飛んでいきます。世の中を変えることは諦め、自分が去ることで解決しようと。よだかが真剣に考えた結果なので、これが間違っていると言う気はありません。

ただ、どうにもこの結末はやり切れない。読書感想文の中にも書いてありますが、残された者たちがどう感じるかなどを考えるととてもつらい最後です。

 

書き方のポイントとしては、”外見で判断すること””絶望した時にどう考え、どう行動するか”について、自分の意見を入れつつ広げていくと、素敵な感想文ができあがるのではないかと思います。ぜひ、チャレンジしてみてくださいね(^^)/

賢治の他の作品が気になったら、こちらでおすすめをまとめています。よければのぞいてみてくださいね☆

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