「正しい街」歌詞の意味とは?椎名林檎の福岡の恋人との関係を解釈してみた

音楽

 

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椎名林檎さんの名曲「正しい街」、シングルで発売された曲ではないものの、強烈な存在感を放つ1曲です。福岡や恋人への想いがぎゅっと凝縮されているような、濃い歌詞が特徴ですよね。また、草野マサムネさんボーカルのtheウラシマ’Sのカバーバージョンも話題です♪

 

そんなこの曲の歌詞について、深く考察してみたいと思います!より深くこの曲を楽しみたいというあなた、ぜひご覧になってみてください☆

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「正しい街」の概要

この曲は、1999年2月に発売されたアルバム『無罪モラトリアム』の1曲目に収録されています。

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他にも、「幸福論」(1stシングル・アルバム・ヴァージョン)、「歌舞伎町の女王」(2ndシングル)、「ここでキスして」(3rdシングル)、「丸の内サディスティック」など初期の代表曲が多数収録されています♪

また、演奏しているメンバーが曲によって構成が異なるのですが、それぞれ「絶倫ヘクトパスカル」「桃色スパナ」「絶叫ソルフェージュ」と名前がつけられています。1stアルバムから椎名林檎らしさ全開の内容となっています(^◇^)

 

そして、椎名林檎トリビュートアルバム「アダムとイヴの林檎」に草野マサムネさんボーカルによるtheウラシマ’Sのバージョンが収録されています!

 

音源はこちら⇓

ものすごいクオリティですよね!!

草野さん過去にさまざまな曲をカバーされていますが、どれも予想の上を行く高評価で「正しい街」も圧巻です。


theウラシマ’Sのメンバーは、

  • Vo.草野マサムネ from SPITZ
  • Dr.鈴木英哉 from Mr.Children
  • Gt.喜多建介 from ASIAN KUNG-FU GENERATION
  • Ba.是永亮祐 from 雨のパレード

超豪華なことになっております。しかも、プロデュースは亀田誠治さん。亀田さんは東京事変のメンバーでもあり、1stアルバム「無罪モラトリアム」の制作にも関わっておられました。

「正しい街」の歌詞解釈

さっそく、歌詞について考察していきましょう♪歌詞全文はこちら⇒「正しい街」

 

まず、この曲についてよく言われているのが、”福岡で付き合っていた恋人と別れた時の心情”が歌われているということです。

別れの原因は、椎名林檎がデビューのため上京が決まったのが大きいのでしょう。歌詞を読めば、1年前に別れた元恋人のことを振り返って作った曲であることは間違いなさそうです。

 

この曲でいちばんメッセージとして印象に残るのが、最初と最後に繰り返し歌われるこのフレーズです。

あの日飛び出した此の町と君が正しかったのにね

此の町(地元である福岡)と恋人だった君が正しかったと、歌ってるわけですが、いったいどういう意味なのでしょうか?言葉通りの意味なのか、それとも君に対する皮肉も混じっているのか、順を追って詳しく解釈していきます。

1番の歌詞では、過去の回想が歌われています。”不愉快””沈黙””期待はずれ”などなどマイナスワードが頻出しており、2人の関係がだめになっていたことがわかります。かまってほしくて彼のエネルギーを自分にだけ流れるようにしてたことに気づきつつも、それを無視してそのままにしていた。

 

2番でも、2人の関係がこわれていく様が描写されています。

「短い嘘がやがて真っ赤なもの(真っ赤な嘘)になり、本音がどんどん遠くなっていった」つまり、本当に分かりあえてる気がしなかったのでしょうね。

このフレーズの次に、足らない言葉よりも距離が近ければ理解できたかもという意味の歌詞が続きますが、こことくに女の子らしい感じ出てます。

そして、別れの時。君は涙を流し、私はそれすらも無視したと。つまり、上京するために別れるという1人よがりで傲慢な愛情を押し付けたということでしょう。

次のサビで、「可愛い子ならたくさんいると言ってたはずなのに、なぜ未だに1人なの?」と別れた元恋人にチクリと言ってます。

 

続いて、歌手になるという大きな夢を見て、なぜ1人よがりの愛を押し付けてしまったのかと後悔の想いが綴られます。

都会では冬の匂いも正しくない

百道浜も君も室見川もない

都会では冬の匂いが正しくないとは、

福岡と比較して、排気ガスなどがひどく白いはずの雪も薄汚れ、慌ただしいく人々が過ごしているため雪を楽しむ時間もない、と私は解釈しました。東京に出てきて、前ほどに冬らしさを純粋にとらえることが難しくなったのでしょう。

さらに、福岡市にある百道浜、室見川、別れた恋人はここ東京にはいないと歌います。

この地名は実際に福岡に住んでないとピンと来ないところですが、そこがまた感情的で素敵です。知らなくても、やけに歌詞に込めた思いの強さが伝わってくるというか。

 

ラストのサビでは、福岡を飛び出したことへの後悔が歌われます。わがままも言えないし、君がこれから待受ける道の厳しさを忠告してくれたのにも関わらず、私が無視したあまり、今それが現実のものとなった。福岡の街と君が正しかったのに、と。

 

しっかり歌詞を追って聞くと、後味はあまりよくありません・・・。わがままを言って夢を追うために君の気持ちなど無視して、上京したことへの後悔の気持ちが歌われてますからね。でも、不思議と何回も聞きたくなる癖のある曲なんです。

 

もしかしたら、それはただただ後ろ向きな曲ではないからなのかもしれません。

なぜなら、福岡と君が正しかったと言いながら、間もなくして椎名林檎はブレイクしているから。だから、悲壮感があまり感じられないのかもしれません。これが、上京して数十年経っても全然売れてなかったら、もう聞いてられないほどつらい曲になってしまいますからね😢

 

また、歌詞の中で君に対して、すこし皮肉めいたことを言ってるのも、この曲が聞きやすい要因なのかも。

どうして未だに君の横には誰一人居ないのかな

ちょっと悪女!?

思うだけならともかく、あえて歌詞に入れるところがね。しかも、”君が正しかった”と強く歌いながら、メジャーデビューして売れているわけですから、上京したことが正しかった!という本音が隠れているのかもしれません。

「正しい街」というタイトルがそもそも皮肉だったりして?なんて、思ったりもしますが、あなたはどう感じられますか。

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「正しい街」歌詞の意味 まとめ

以上、椎名林檎さん「正しい街」の歌詞解釈でした。じっくり歌詞を追うことで、よりこの曲にこもった情念のような強い気持ちを感じられたのではないでしょうか。今回のポイントを簡単にまとめておきます。

  • アルバム『無罪モラトリアム』に収録
  • theウラシマ’Sバージョン「正しい街」もおすすめ
  • 「正しい街」歌詞の意味⇒①上京したことへの後悔②別れた恋人への皮肉?

歌詞の意味ですが、よく言われる別れた恋人・福岡の街への後悔を歌っていること以外にも、「実は上京した私が正しかったのではないかしら?」という一面も持ち合わせている、そんな風に解釈してみました。

 

1人の人間の中に、相反する感情があるのは自然なことですし、そういった混沌した世界観だからこそ、人間味が感じられ、私たちにまた再生ボタンを押させるのではないでしょうか。

本記事をお読みいただくことで、あなたに何かひとつでも新たな発見があれば幸いです。

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コメント

  1. 磯貝 より:

    福岡出身で百道浜や室見川の近くにも住んでました。
    大学と就職で10年程東京にも住んでいました。

    私の解釈ですが、冬の匂いは、排気ガスではないと思います。この辺りは東京の幹線道路と変わらない交通量と渋滞です。
    空気の悪さは当時からそんなに変わらないと思います。

    私も経験がありますが、はじめての東京の冬は福岡に比べて、酷く乾燥していて鼻腔が痛くなる感じがしました。
    雪も全然降らないし、ただ寒いだけだし、日が暮れるのは福岡より1時間近く早いし、とても気が滅入りました。
    福岡は南国と思っている方が多いですが、日本海側なので東京よりも沢山雪が降るし、福岡市内は海が近いのであまり乾燥していません。
    百道や室見川付近は本当に海が近いので、海の香りもするくらいの感じです。

    この差異をなんと表現したら良いのか言語化が難しいですが、「冬の匂いも正しくない」という表現はとてもしっくりきます。僕も東京でそう感じました。

    匂いというより、鼻中心に顔に感じる空気が福岡とは全然違うのかなと思います。

    実際の五感で感じる東京の冬と、無関心という意味で冷たい都会の雰囲気、思ったより結果を出せていない自分とかを表現しているのかなと思います。

    ちなみに草野マサムネは室見川の近くで生まれ育っているので、この曲をカバーするのに本当にふさわしい人物だと思います。
    ロビンソンの河川敷とは室見川の事らしいです。
    以上近隣に住んでたものからの現地と東京の差異のお話でした(^-^)

    • にんまり より:

      貴重なコメントありがとうございます。
      実際に、歌詞の舞台になった場所にお住まいだったんですね!

      「冬に匂いも正しくない」について、言葉にするのが難しい感覚的な部分を
      教えていただき、ありがとうございます。福岡に住んだことがない私ですが、
      なんとなく肌感覚がイメージできた気がします!

      また、「ロビンソン」で室見川が歌われていたとは!!スピッツ大好きですが
      知りませんでした・・・貴重な情報ありがとうございます。

  2. Yok より:

    「どうして未だに 君の横には誰一人いないのかな」

    私はこれは皮肉ではなく

    「あの日飛び出した 此の街と君が正しかったのにね」

    ここで君が正しかったと言っているので
    別れても君は横に誰も置かなくて、東京に出ていく女性の主人公の居場所を残している
    と感じました。

    そうなると

    「あの日飛び出した 此の街と君が正しかったのにね」

    これを最初と最後のフレーズに持ってきたことで、
    最初に何が正しかったのかと提示し
    中盤で理由を語り
    最後に本当に正しかったんだよと胸を締め付けられて後悔している女性の主人公の気持ちを演出したのかと思います。

    皮肉っぽく表現していることが更に女性主人公の気持ちを複雑に演出しているのがスパイスになっているなと。
    (その直後に「なんて大それたことを夢みてしまったんだろう」と居場所を残しいる現状に後悔している嘆きもとても良いと思いますが、それは考えすぎかな?)

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