ミヒャエル・エンデの『モモ』は、読書感想文におすすめの名作です♪
ただ、いざ読んでみると「ちょっと長い?」と感じる人も多いのではないかと思います。
第一部~第三部(全部で21章)とけっこうなボリュームで内容ももりだくさん!面白そうだけど、全部読むのはちょっと時間がかかるし大変・・・という意見が多いのもうなづけます。
ということで、本記事では
『モモ 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語』
のあらすじをご紹介しています♪
内容を簡単に要約した短いバージョンと長いバージョンの2種類を載せています。
本の内容を知りたい方はもちろん、読書感想文を書く際にも役立つと思うので、よければご覧になってみてください。
ミヒャエル・エンデ『モモ』あらすじ~簡潔版~
では、まずは『モモ』の短いあらすじをご覧ください。約400文字などですぐ読み終わると思います!
円形劇場あとに住みついた女の子モモ。モモは、掃除夫のベッポ・観光ガイドのジジという2人の親友や友達たちと楽しく暮らしていました。
ある日、時間貯蓄銀行の灰色の男たちが街にやってきて、人々の時間を盗み始めます。みんな時間に追われるようになり、心もギスギスするようになりました。モモは、今まで遊びにきていた友達たちがやってこないことで、街の異変に気付きます。モモと親友たちは、世の中がおかしいことを大人たちに知らせますが、誰も聞いてくれません。
灰色の男たちから目をつけられてしまったモモは、男たちに追いかけられます。しかし、モモのもとに現れたカメに助けてもらい、時間の外側にある「どこにもない家」に連れていかれます。そこで、マイスター・ホラと出会い、時間の秘密や灰色の男たちとの戦い方について教えてもらいます。そして、モモの活躍によって、みんなの盗まれた時間が元にもどり、人々は時間に追われることなく、以前のように楽しく過ごせるようになりました。
だいぶ短くしましたが、さらに一文でまとめるなら、、、
「灰色の男たちによって盗まれたみんなの時間を、モモが頑張って取り戻す」
というお話です。
ただ、だいぶはしょっているので、これだとわかりにくいという点もあるかと思います。もし、気になったら、下の詳しいあらすじもどうぞ見てみてください。けっこう詳しめなので、本文を読まずとも感想文を書いてしまえるかも?と言った内容になっています。(もちろん、それはおすすめはできませんが)
ミヒャエル・エンデ『モモ』あらすじ~詳しい版~
【第一部 モモとその友だち】
都会のはずれにある円形劇場跡の廃墟に住みついたモモという女の子がいました。
村人に、家具をつくってもらったり、食べ物のおすそわけをしてもらいながら、みんなと仲良く暮らし始めました。
モモの特技は、人の話を聞くこと。
何か解決策を考えられるわけではないでけれど、不思議なことにモモと話してるうちに本人が自分でどうすればいいのか気づくのです。ずっとケンカしていた男たちの原因を長い時間かけて聞き出し、仲直りさせたこともありました。
いつしか人々は困ったことがあれば、「モモのところに行ってごらん」と言うようになりました。
モモには、2人の親友がいました。道路掃除夫のベッポという老人と、観光ガイドのジジという青年です。
ベッポは話すのも掃除するのも何事もゆっくりするタイプで、こんな仕事への考え方を持っていました。「目の前にある小さなことに集中して、楽しみながらそれに打ち込んでいれば、いつの間にか仕事は終わっている」
ジジは、円形劇場跡にやってきた観光客に、その場で思いつくまま作り話の歴史を案内して、お金を稼いでいました。ほら話が大得意で、いつか成功して大金持ちになりたいと考えています。
堅実なベッポと夢見るジジ、年齢も性格も全然ちがいますが、この2人とモモは大の親友でした。
【第二部 灰色の男たち】
ある日、灰色の男たちが街に現れました。
いかに普段時間をムダにしているか、それらのことをやめて余った時間を時間貯蓄銀行に預ければ倍になって返ってくる、などと言って、時間を節約することがすばらしいことと人々に言って回り、信じさせることに成功しました。
そして、人々が節約した時間を奪い始めたのです。
不思議なことに、時間を節約するようになった人々は、灰色の男たちと会ったことは忘れていました。
灰色の男たちは誰にも知られることなく、たくさんの人から時間を盗み続けたのです。しだいに、人々は時間に追われ、街はギスギスするようになりました。
モモは、昔遊びに来てくれた大人の友達たちが、来なくなったことを不思議に思いました。
来てくれるのは、子どもたちだけ。今まで一緒に遊んでくれてた親がかまってくれなくなったのです。
街の異変に気付いたモモたちは、昔なじみの友達たちのもとを訪ね、話をすることで何人かを元のゆったりした生活に戻すことに成功しました。
しかし、このせいで、モモは灰色の男たちに目をつけられることになりました。
灰色の男がモモのもとに現れ、高級なおもちゃを与えて夢中にさせることで、おとなしくさせようとしました。
しかし、モモは興味を示しません。灰色の男は、人の話を聞くのが得意なモモと話すうちに、つい本音を漏らしてしまいました。
モモは男たちが「人間の時間を奪っている」ことを知ったのです。
モモはジジ・ベッポ・子どもたちに灰色の男たちのことを話しました。そして、大人たちへ知らせるために、みんなで街へ出てデモをしました。
しかし、誰も耳をかたむけてはくれません。ただ、灰色の男たちはモモのことを邪魔者だと考え、捕まえようと動き出しました。
ちょうどその頃、モモの前にカシオペイアというカメが現れました。
モモはカメに案内されるまま、円形劇場跡を歩きだしました。
灰色の男たちは、モモを探そうと街じゅう動き回るのですが、いっこうに見つかりません。実は、カシオペイアには30分先の未来がわかる力があり、モモが男たちに見つからないように助けてくれていたのです。
モモは「さかさ小路」を超えて、時間の領域の外の不思議な世界に入ります。ここは、灰色の男たちが入れない場所なのです。そして、「どこにもない家」へと着きました。
ここには、無数の時計がたくさんあり、どれも違う時間をさしていました。
この家はすべての時間のみなもとだったのです。ここで、モモは時間をつかさどるマイスター・ホラという人物に出会いました。
ホラから時間の秘密について教えてもらいました。普通の人には見ることができない時間の花を見せてもらい、時間のひびきを聞き、体いっぱい感じました。
モモは、言葉にはするのは難しいけれど音楽のようなものだと感じました。
一方、灰色の男たちは、モモを捕まえるために会議を開いていました。
その結果、友達のジジ、ベッポや子どもたちを忙しくして、モモからひきはなすことにしました。そうなれば、友達のために時間を使うのが大好きなモモにとっては、辛いにちがいありません。耐えきれなくなり、助けを求めるはずだと。
その時に、モモから時間を盗むために邪魔になるマイスター・ホラへ会うための道を聞きだすことを決めました。
【第三部 時間の花】
モモは「どこにもない家」で1日を過ごし、元の住処へ戻ってきました。
しかし、通常の世界では1年経っていたのです。その間に、ジジは観光ガイドの仕事がうまくいき大忙し、ベッポも掃除夫としてあくせく働き、子どもたちも「子どもの家」で監視され、自由な時間を奪われていました。
灰色の男たちの計画によって、みんな時間貯蓄家として、せっせと時間を節約して生きるようになっていたのです。
何カ月経っても、モモの住みかには誰もやってきませんでした。
ある夜、モモは大勢の灰色の男たちに囲まれます。
そこで、時間の秘密や時間の花、マイスター・ホラに会ったかどうかを聞かれました。そして、男たちは「友達を取り返したいなら、マイスター・ホラの元へ案内してほしい」と取引をもちかけました。
しかし、モモは道を知りません。知っているのは、カメのカシオペイアだけですが、はぐれてしまい今はいません。それを聞くやいなや、灰色の男たちは、いっせいにカメを探しにいきました。
灰色の男たちがいなくなると、モモのもとにカシオペイアが現れました。
「ホラのところに行こう」とモモをつれて歩きだしました。
しかし、灰色の男たちの何人かはこっそり隠れて見ていたのです。男たちは、ばれないようにモモたちの後をつけました。
だけど、「どこにもない家」の周りの「さかさま小路」という道で、男たちは進めず消えてしまったのです。灰色の男たちは盗んだ時間だけでできているので、消えてしまうのです。
こうして、モモはつかまることなく、無事にホラのもとへ着きました。
ホラは、モモに灰色の男たちの秘密を教えてくれました。彼らが盗んだ時間の花は貯蔵庫に凍らせて保存していること、この花びらで作った葉巻の煙から盗んだ時間を吸い取り命をつないでること、など。そして、やつらを倒すための作戦をモモにあたえました。作戦は、この3つです。
- ホラが眠り、世界の時間を止める(男たちは時間が盗めなくなる)
- 男たちは時間の貯蔵庫に向かうはず。追いかけて場所をつきとめる
- 貯蔵庫にある盗まれた時間をみんなのもとへ解放してあげる
世界の時間が止まると人も動物も何もかも止まるのですが、モモだけは時間の花を一輪もらうので動けるのです。作戦のタイムリミットは、花が枯れる1時間。
モモとカシオペイアの冒険が始まりました!
時間が止まったことに気づいた灰色の男たちは、混乱しながらも貯蔵庫へと向かいました。持っている葉巻がなくなるとと消えてしまうので、お互い葉巻を奪い合うなどし仲間割れが始まり、その数はどんどん減って行きました。
モモは男たちに見つからぬよう後をつけていき、時間の貯蔵庫がある地下へとしのびこみました。モモはカシオペイアと力を合わせて、何とか灰色の男たちをやっつけることに成功します。
貯蔵庫の扉をあけると、盗まれた時間がいっせいに解放されました!
時間の嵐がまきおこり、モモの体は浮き上がり地下を出て、ふわりと空へと運ばれました。
空にまった時間の花々は、静止した世界に雪のように舞いおりて、人間の心の中に戻っていきました。
今まで止まっていた世界が動きだしたのです。
誰も今まで止まっていたことに気づいてはいませんが、以前のように慌ただしくなく、時間がたっぷりあることだけはわかりました。
モモは円形劇場跡にもどり、ジジやベッポら多くの友達たちとお祝いをしました。
以上、”詳しいあらすじ”でした。
ちょっと長くなりましたが、これでストーリーがばっちりわかるかと思います。話の流れを知るためには、もう本文を読まなくてもいいくらいかもしれません。
ただ、ミヒャエル・エンデの『モモ』はストーリーはもちろんですが、人物の台詞や時間についての文章など、面白いものが多いので、それを味わうために読むのもありです。
あと、マイスター・ホラがモモに出したなぞなぞも印象的でした。こんななぞなぞです。
三人のきょうだいが、ひとつ家に住んでいる。
一番うえはいまいない、これからやっとあらわれる。
二ばんめもいないが、こっちはもう出かけたあと。
三ばんめのちびさんだけがここにいる。それというのも、三ばんめがここにいないと、
あとの二人はなくなってしまうから。でもそのだいじな三ばんめがいられるのは、
一ばんめが二ばんめのきょうだいに変身してくれるため。
おまえが三ばんめをよくながめようとしても、
見えるのはいつもほかのきょうだいの一人だけ!
この三人の兄弟の名前をそれぞれ当てるという謎々なんですが、わかりましたか?名言のようなものもたくさんありますし、そういった部分も気になるという場合は、ぜひ読んでみることをおすすめします。
まとめ~『モモ』のあらすじ~
ミヒャエル・エンデの名作『モモ』のあらすじ、いかがでしたでしょうか。
面白いと評判で、読書感想文のおすすめ本としても有名ですが、いざ読んでみると意外と長くてけっこう時間がかかってしまう本です。私自身、読もうと思ったものの長くて挫折したことがあります・・・(もしかすると、灰色の男たちに時間を奪われていたのでしょうか??)
でも、今回はゆっくり味わって読むことができました。時間にかんする印象的なセリフや表現が散りばめられていて、とても読みごたえがありました!
とくに、第12章「モモ、時間の国につく」では、時間の花をはじめとした秘密について書かれていて、とても綺麗で詩的な文章がたくさんあります。大人になっても、いや、大人だからこそ感動するという内容だと思います。
読書感想文の例文については、こちら。
子どもはもちろん大人も楽しめる一冊、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか📖
コメント
ありがとうございます。