宮沢賢治「オツベルと像」あらすじ・読書感想文

感想文
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宮沢賢治の「オツベルと像」は教科書にも広く採用されていている物語です。読んだことがあるという人も多いのではないでしょうか。

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短い童話(対象年齢:小学校中学年~)で読みやすい作品ではありますが、その内容は仕事と時間について考えさせられるもので、ちょっと重め。だからこそ、読書感想文の題材としては、書きやすい一冊です。

本記事では、「オツベルと像」の

  • 簡単なあらすじ
  • 読書感想文

についてまとめています。感想文を書く際のヒントになれば幸いです☆

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あらすじ(ネタバレ)

あるところに、オツベルという百姓がいた。他の百姓と小屋で働いていると、白象がやってきた。象は小屋に上ってくると、 オツベルは度胸を据えて声をかけた。

「ずうっとこっちに居たらどうだい」

オツベルはがたがた震えだしたが、象はけろりとして「居てもいいよ」と答えた。

オツベルは、ブリキでこさえた大きな時計、百キロもある鎖や赤い大きな靴、そして四百キロある分銅を象の体や靴につけた。

「うん、なかなかいいね」

象はさも嬉しそうに言った。

 

次の日、ブリキの大きな時計と靴は破け、象は鎖と分銅だけで歩いていた。オツベルは象にどんどん仕事をさせた。喜んで仕事した象は、月を見て、

「ああ、せいせいした。サンタマリア」とひとりごとした。

その次の晩、象は、

「ああ、疲れたな、嬉しいな、サンタマリア」と言った。

そうして次の日から、象は朝から稼ぐのだ。藁を食べる量が減り、昨日はただ五把だ。

ある晩、象は三把の藁を食べながら、

「苦しいです。サンタマリア」と言った。これを聞いたオツベルは、象につらくした。

 

そしてある晩、象はふらふら倒れて地べたに座り、藁も食べずに、空に見える月に

「もう、さようなら、サンタマリア」と言った。

すると、月が「意気地のないやつだなあ。仲間に手紙を書いたらいいや」と言うと、象の目の前にはすずりと紙を捧げた赤い着物の童子が立っていた。象は早速手紙を書いた。

 

童子が手紙を持って山に着くと、象どもは額をあつめてそれを見た。

「オツベルをやっつけよう」

みんながいちどに呼応する。

オツベルの家の百姓どもは象の大群に気づくと、寝ていたオツベルを起こした。象が屋敷をとりまくと、オツベルはピストルを撃ちだした。だけど弾丸は通らない。そのうち象たちが塀から落ちると、オツベルは潰れてしまった。

象たちは小屋に押し寄せると、静かに白象のそばに寄り、鎖と銅を外してやった。

「ああ、ありがとう。ほんとにぼくは助かったよ」

白象は寂しく笑ってそう言った。

読書感想文

わたしは以前、働きすぎて辛くて泣いている大人の姿を、テレビで見たことがある。最初のほうは、新しい仕事についてとても嬉しそうにしていたのだけど、だんだんと仕事の難しさや厳しさがわかってきたり、上司に色んなことを言われて、悲しい思いをしている。そんな会社を『ブラック企業』というらしいけれど、オツベルと白象の関係は、そんな会社に似ていた。

まだ学校に通っている間は、仕事をしたり、お金を稼ぐことはない。たまにお小遣いをもらったりするくらいで、仕事をする楽しみはよくわからない。象は稼ぐことが楽しいと言っていたが、やっぱり人には、休息が必要なんだと思う。

「子どもは勉強が仕事」と言われたことがある。たしかに、こん詰めて勉強をしていると、他のこと…例えば、外で遊んだり、おやつを食べるとか、そういった楽しみが、減ってしまうように感じる。そんな日は、寝るときにとても疲れていたのを覚えている。遊ぶのがだめとか、仕事の時間が少ないのがだめとか、生きるってそういうことじゃ成り立たないんだなと思った。

 

適度に遊んで、必要な量を自分で決めて勉強して、また遊んで、寝て、という生活のリズムが、人の体のリズムを作り、その人自身の人生を作っていく。

そう考えたとき、わたしは将来、どんな仕事に就きたいのかなと思った。しっかりとお給料をもらえるような仕事かとか、お給料をもらえるかは約束されていないけれど、自分がやりたいことのために専門の学校に行くだとか。親や先生、友達が色んなことを言うけれど、本当のわたしはどう生きていきたいのかな?

 

中学生、そして高校生になると、必ず先のこと、つまり人生のことを真剣に考える時がやってくる。そのタイミングがやってくるまでに、自分の時間を今後どう過ごしていきたいのか、真剣に考えていきたい。

少なくとも、白象がオツベルのところで過ごしたような人生ではなく、仲間たちと和気あいあいと暮らすような人生を、選んでいきたい。あとは、適度な仕事と、適度な遊びの時間を。

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「オツベルと象」あらすじ・感想文まとめ

「オツベルと像」のあらすじ・読書感想文を見てきました。このお話は童話ですが、読み終わったときに”楽しかった””おもしろかった”というよりは、どんよりと重たい感想を持たれたのではないでしょうか。

 

オツベルが何かと理由をつけては、まっすぐな白像をこきつかう様子が何ともひどいですよね。

でも、これと似たようなことが今の時代だって起こっています。立場が上の人が下の人をこき使うということは、会社をはじめいろんな人間関係においてあてはまることがあるかもしれません。

 

読書感想文の例文中でもふれていますが、このあたりが自分の意見を入れやすいポイントのひとつです。そこから、あなたが考える理想の生き方・時間の過ごし方などについて広げていくのはいかがでしょう。

読書感想文を書く際の参考になればうれしいです。ぜひ、素敵な感想文を書いてみてくださいね(^^)/

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