社会派ブロガーちきりんさんの本『マーケット感覚を身につけよう—「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』を読みました。切り口も素敵で、内容も充実していて良書でした!
今回はこの本の全体的な内容と、私が特に良かったと感じたポイントをご紹介します。もしも、多忙で本を読む時間がなかなか取れないときは、サクッと要点だけを押さえておくといいかもしれません。あらかじめ全体の構成を理解しておくと、後で本を読むときにもスムーズに読み進めることができますよ☆
「マーケット感覚を身につけよう」の目次・主な内容
まずはこちらの本で学べることについて俯瞰するために、目次を見てみましょう。
序 もうひとつの能力
1 市場と価値とマーケット感覚
2 市場化する社会
3 マーケット感覚で変わる世の中の見え方
4 すべては「価値」から始まる
5 マーケット感覚を鍛える5つの方法
終 変わらなければ替えられる
さいごに
従来から言われていた論理的思考だけでなく、これからは新たにマーケット感覚が必要になるとちきりんさんは書いています。
このマーケット感覚があれば、世の中を見る目が変わります。見え方が変われば自分の行動も変わり、人生が変わるというケースだって有り得るわけです。だから、マーケット感覚を身につけよう!と、要約するとこのような内容になっています。
本書を読み進めていくと、マーケット感覚という考え方を知ることで新たな気づきを得て、やる気が出てくるという人が多いと思います(私もそうです)。
しかし、終章では・・・目次を見ると想像はつくかもしれませんが、厳しくも有り難い内容が書かれています。これについてはまた後程触れたいと思います。
さっそく、具体的な内容について章ごとに見ていきましょう(^^)/
『マーケット感覚を身につけよう』内容と感想
序 もうひとつの能力
何か問題を解決する際には、論理的思考も大切だが、直感的な”マーケット感覚”でアプローチしたほうが効果的なこともあります。
そもそもマーケット感覚の意味とは何でしょう?本ではこう定義されています。
商品やサービスが売買されている現場の、リアルな状況を想像できる能力
ANAのライバル企業はどんな会社なのか?これを論理思考、マーケット感覚、それぞれで考えた場合どうなるかについて例が挙げられています。
論理思考の場合
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おそらくはこのように考える人が多いと思います。飛行機の会社だからというところからスタートして、細かく分類していく流れです。
マーケット感覚の場合
例えば、大企業の海外事業を統括する事業部長が悩んでるとする。海外の各支店の売上低迷しており、早急に対策する必要があった。
しかし、会議に行くにも時間が撮られるし、逆に各支店長を東京に呼ぶのも・・・。 どうすれば・・・ 「ネットのテレビ会議だ!」 といった状況がイメージできれば、いきなり通信システムがライバル企業であると気づける。 |
利用者をより臨場感を持ってイメージできるかがキーとなっています。私自身、このような考え方が苦手なので、「なるほど!」と感じました。
論理思考で行き詰っても、このように切りかえることができれば、さらに思考を進めることも可能になりますね。
1 市場と価値とマーケット感覚
この章で特に印象に残ったのは、マーケット感覚はセンス・才能ではなく学べるスキルであるということ。
昔は論理的な思考法ができる人は”頭がいい”と思われてきましたが、今では論理的思考法は鍛えることができると考えられています。書店にも論理思考をトレーニングする本がたくさん陳列されていますよね。
同様にマーケット感覚も鍛えることができるのです。どんどん市場化が進むこれから、マーケット感覚の重要性は大きくなり、これを鍛えるかどうかで自分自身の今後も少なからず影響があるでしょう。
世の中にはすばらしい価値を生みながら、マーケットで評価されない商品やサービスがたくさんあります。人材も同じで、すばらしい資質を持ちながら、市場では評価されない人がいますよね。そういう人は、「自分に足りないのはマーケット感覚だ」と気がつかない限り、いつまでも報われません。
2 市場化する社会
社会のいたるところが市場化されているという内容です。
例えば、昔は就職活動や結婚相手探しはコネによるものが多かったですよね。しかし、今や就活サイトや婚活サービスの普及により、チャンスは格段に広がりました。
もちろん、良い面もあれば、就職したいのにできない人・結婚したくてもできない人が増えたというデメリットもあります。これは市場化された場で、自分の売り方がわかっていないことがひとつの要因です。要は、仕組みが変化したのに人の感覚が追いついていない状態です。
しかし、親の意見など普段から聞いていると、そうなってしまうのもある程度は仕方ないことかもしれません。親世代と生きている時代がもう違うので、実際はそのまま当てはまらない考え方が多くなっています。
だからこそ、就活や婚活など人生の転機においてもマーケット感覚が重要であるという、そんなお話でした。
3 マーケット感覚で変わる世の中の見え方
マーケット感覚を研ぎ澄ませると、世の中の見え方が変わってくるということが、複数の例を挙げて説明されています。
特に、なるほど!と思ったのが、「消費市場」「貯蓄市場」という考え方です。
いろんなサービス・品物を企業は競争して売っていますが、それ以前に「貯蓄市場」があるということ。
まず、お金を貯めるor消費するという二択があり、貯める分を差し引いて残りの予算で買い物をしているということです。たしかに、通常は際限なくお金を消費するわけにはいかないので、保険・投資・貯金分を差し引いた予算で消費していますよね。
貯蓄市場側から見ると、言葉巧みに将来の不安など煽って消費に回させないように、広告を打っています。そして、晴明保険や投資などの商品を売るというわけです。
恥ずかしながら、私は貯蓄市場にお金を使わされているとあまり意識できてませんでしたが、この本を読んだおかげで、世の中の見え方が変わりました👀
4 すべては「価値」から始まる
何にどれだけ”価値”があるか、これを見極める能力が大切であると説かれています。そして、新たな価値がどんどん生まれてきています。本で紹介されていた一部を挙げると、、、
- 感動市場(感動を与えてくれるアスリートなど)
- コーチング(禁煙、ダイエットなど相談に乗る)
などです。たしかに、昔にはなかった価値ですね。他にも、普通の主婦が家事・掃除の経験を活かして起業されたりするケースもありますが、これも同様のことと言えそうです。
5 マーケット感覚を鍛える5つの方法
では、どうすればマーケット感覚を鍛えることができるのでしょう?紹介されている5つの方法がこちら。
その1 プライシング能力を身につける
その2 インセンティブシステムを理解する
その3 市場に評価される方法を学ぶ
その4 失敗と成功の関係を理解する
その5 市場性の高い環境に身を置く
この中で、私がとくに共感したのは、その3の内容でした。
今は技術や消費トレンドの変化が速くて、”完全に作りこんでから商品を出す”より、”多少未完成でも早めに出して市場に問う”という方式がチャンスが多いという話が書かれています。
とりあえずやってみて、そこで反応を見つつ軌道修正をするのが、今の時代に合っているとのこと。
その4にも書かれているのですが、とりあえずやってみて失敗をしながら市場からフィードバックを受けて、また進化していく。これが新しい成功のプロセスとなっています。
もし、何かやりたいことがあればどんどんやってみて、そこから考えればいいという考えに共感です!
何かをネットで販売してみたり、未完成の小説でも発信してみたり、動画を挙げてみたり、なんて小さなことから始めてみるのが良さそうです。そして、しっかりと自分と市場との価値の違いを意識し、マーケット感覚を鍛えていききましょう(^^)/
終 変わらなければ替えられる
この章は、シビアな現実が書かれています。変化のスピードが加速するこれから、従来の考え方のままでは危ないというお話です。
- 一流大学を卒業した経歴はもう過去のもの?
- 親が子どもに伝えるべきこととは?
- 激しい世の中の変化に、将来不安になる人と変化を楽しめる人の違い
など、感覚的にわかっているけど目を背けたいようなテーマが書かれていて、グサリときます。でも、本書を読んだら、マーケット感覚を武器にこの変化の大海原を漕ぎ出していかなければなりません!覚悟して進んでいかなければ、と思わされる章でした。
さいごに
ここでは、マーケット感覚を使うことで大成功した”葉っぱビジネス”が紹介されていました。
それは、徳島県勝浦郡上勝町にあるこちらの会社です👉株式会社いろどり
日本中に多数ある「山しかない町」と「山とマーケット感覚のある町」のちがいです。新たな価値を見つける力、そして行動力、尊敬します。
まとめ
ちきりんさんの『マーケット感覚を身につけよう—「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』について、書評してみましたがいかがでしたでしょうか?とても内容が充実した一冊だと感じます。
内容を私なりに一文に凝縮すれば、、、
ますます変化のスピードが激しくこれから、論理的思考だけでなくマーケット感覚を身につけることで、変化を楽しんでいきましょう!
といったところでしょうか。しかし、現在のところマーケット感覚を持っている人はいったいどれくらいいるのだろう?と思ってしまいました。私自身まだ読んだだけなので、しっかり意識して鍛えていこうと思います!
お時間あれば、ぜひ本も読んでみてください。本記事では紹介していない具体例が他にも盛りだくさんなので、読むとより理解が深まります📖
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