このところの深海魚が海岸沿いで見つかるなどのニュースが続いていますね。 普段いるはずのないところで見つかるのだから、異常気象などを連想してし まいます。幻の深海魚と言われるリュグウノツカイも漂着するなど、どうしても地震の予兆なのでは?と不安に思う方も多いのではないでしょうか。古くから言い伝えがありますし。
本記事では、リュウグウノツカイと地震との関連について見ていきます。また、このテーマに関するとても興味深い小説もご紹介します。
リュウグウノツカイの言い伝え 地震の予兆は迷信?
どうしてリュウグウノツカイが地震の前兆と言われるのか?その理由が気になったので調べてみました。
もっとも大きな理由は、
大地震が起こる前にリュウグウノツカイが発見されている
という事実があるからです。
調べてみたところ、たしかに大きな地震が起こる数日~数か月前にはリュウグウノツカイが捕獲されたというケースが多いのです。
主な大地震のデータはこちらです(その他にも、多数の地震発生時期に発見されています)
発生日時 | 地震名 | リュウグウノツカイ発見場所 |
1968年8月6日 | 豊後水道地震 | 愛媛県八幡浜 |
1995年1月17日 | 阪神・淡路大震災 | 三重県度会郡 |
2011年3月11日 | 東日本大震災 | 神奈川県小田原
鳥取県・隠岐諸島の中ノ島など |
2018年6月18日 | 大阪北部地震 | 福岡県福津市など |
豊後水道地震、阪神淡路大震災の時は、発見されたのは震源地から比較的近くで、地震発生の数日前に発見されています。東日本大震災の時は、震源地からは離れていて、地震発生の1,2カ月前に発見されています。
大阪北部地震の時は、前日に目撃したという報告もあります。Twitterで見ることができます。
因果関係があるかどうかこれだけでは確定できませんが、地震が起こる前にリュウグウノツカイが見つかっていることは確かな事実です。
ただ、最近はリュウグウノツカイなど深海魚が打ち上げられたりするケースが増えてきているので、地震の前でも後でも発見されているともいえます。
発見された時期を地震の前にするか後にするか、捉え方はどちらにもしようと思えばできるわけで、予兆説の言い伝えをそのまま鵜呑みにするのもどうかと思います。
しかし、人魚伝説のもととなったという説もあり、その名の通り竜宮城の使いとされている神秘的な姿をした深海魚ですから、こういった都市伝説は広まりやすいのでしょうね。
2016年2月8日 発見された場所や状況
過去に多数見つかっているリュウグウノツカイですが、特徴的なものは2016年2月のケースでしょう。
この時に発見された場所は、新潟県佐渡沖でした。何と、両津湾内にある定置網に生きた状態でかかっていたのです。生きたまま捕獲されるのはほとんどないので、網を設置している内海府漁協の職員さんも驚きです。
私はこの時、テレビのニュースで初めてリュウグウノツカイを見たのですが、かなり大きく背びれ?のようなところが風になびくように不思議な動きをしていました。その異様な形から、 昔から人々に神聖視されたり、地震の言い伝えなどもある理由もわかるような気がしました。竜宮の使いという名がついたことからも特別なものとして捉えられてきたことを物語っています。発見されたリュウグウノツカイの大きさですが、体長3.3メートル、体幅が最大26センチもあったとのことです。かなりの大きさです。
(その姿がちょっと気持ち悪く、苦手な方もいると思われるので、あえて画像は載せていません)
地震とリュウグウノツカイのが関連について書かれた小説
高嶋哲夫『M8(エムエイト)』、村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』、福井晴敏『小説・震災後』『平成関東大震災』など、地震を扱った小説は多くありますが、この作品ほどリュウグウノツカイと日本の大地震をからめて書かれた小説はないのでは?と思う作品があります。
明石散人の小説『鳥玄坊 時間の裏側』です。1998年に発売された本で、リュウグウノツカイが浜辺に上がるところから物語が始まります。扱っているテーマのひとつが地震で、今でもぐいぐい引き込まれるような内容になっています。
明石散人は、あの京極夏彦の師匠でもある人物としても知られており、たしかに作風が京極夏彦の京極堂シリーズと近いものを感じます。膨大な歴史などの雑学を詰め込まれ、現実とフィクションの境目がわからなくなるようなくらくらするような名作だと思います。
大地震だけでなく、火山の噴火についても考察されていて興味深い考え方でした。地震について新たな視点が得られる小説です。
事実かどうかはさておき、視野を広げてくれるおすすめの小説です☆
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