イエローモンキー「JAM」歌詞の意味とは?|乗客に日本人はいませんでしたの解釈

音楽

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THE YELLOW MONKEY(イエモン)の代表曲のひとつである『JAM』。

発売されてからかなりの年月が経ちますが、「乗客に日本人はいませんでした」などインパクトのある歌詞が多くの人の記憶に残っています。「第67回(2016) NHK紅白歌合戦」でのパフォーマンスも注目を集めていました。

 

そこで、今回は『JAM』の魅力について考察します。賛否分かれる歌詞の意味についてはもちろん、その他の印象的なフレーズを取り上げ、曲全体の解釈をしていきたいと思います。

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イエモンの名曲「JAM」とは?

まずは、「JAM」について基本的な情報をまとめてみました。こちらが公式PV動画です♪

「JAM/Tactics」(両A面シングル)

  • 発売日:1996年2月29日
  • 作詞:吉井和哉
  • 作曲:吉井和哉
  • オリコン最高位:6位(週間)

※「Tactics」はアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』エンディングテーマでした。

 

私はこの曲が発売された1996年頃、よくJPOPを聞いていましたが、「JAM」はとても印象的な曲でした。それまでもイエモンは「追憶のマーメイド」「太陽が燃えている」などがヒットしていて、存在は知っていたのですが、「JAM」で存在感がぐっと大きくなりました。ミュージックステーションでの演奏は印象的で、今でも記憶しています。

 

Mステと言えば、イエモンが出演するに至ったエピソードが有名です。
Mステでは放送時間の都合上、曲をフルで演奏することは通常できません。当時、吉井さんは曲が削られることを快く思わず、初めは出演を拒否したそうです。中原繁氏(イエモンのプロモーター)の交渉の結果、5分の時間をもらえ、歌詞を削ることなく歌えることになったため、出演が決まったのだとか。このエピソードからも、歌詞への強い思い入れが想像できます。

 

そして、「JAM」にとても関連が深い曲、吉井和哉「バッカ」をご紹介します。どう「JAM」と関係があるのか?それは「バッカ」のPVに答えがあります。

「JAM」のPVの映像が使われているのです!3分17秒、3分33秒、4分29秒、に「JAM」に出演していた男の子・女の子が映っています。
さらに、4分54秒以降に成長し大人になった男性・女性が映っているのです。

 

また、動画をご覧になった時に気づかれた方も多いと思いますが、有名人が多数出演されています。

  • あがた森魚
  • KREVA
  • 金子ノブアキ(RIZE)
  • 西川晃啓(レギュラー)

「JAM」とのつながり、切ないクリスマスのストーリー、吉井さんのサラリーマン姿、豪華キャスト、などいろんな要素が詰まったPVとなっています。

「乗客に日本人はいませんでした」歌詞の意味

ここからは、「JAM」の歌詞の意味について見ていきたいと思います。

JAMでいちばん印象に残るのは、何と言っても曲のラスト、このフレーズではないでしょうか。

外国で飛行機が落ちました

ニュースキャスターは嬉しそうに

「乗客に日本人はいませんでした」

「いませんでした」

「いませんでした」

飛行機

この歌詞があることで、JAMが多くの人々の記憶に残ることになったのは間違いないと思います。

このように、こんなニュースを見る度に、ふと思い出したりすることがある人も多いでしょう。

この歌詞の解釈については、Twitterなどネット上で話題になることも多く見られます。よく言われる主な意見はこちらです。

 

●日本のニュースが、日本人の安否を伝えるのは当然。

大使館など関係各所の電話対応などが増え、迷惑になるためetc

 

●命の重みに国籍は関係ない

「他人事で良かった」という感じがして、違和感を覚えるetc

 

どちらも共通してるのは、イエモンの歌詞についてやや批判めいた意見ですね。とくに今は昔と比べて何でもかんでもクレームをつける社会になっているので、この歌詞なんかは格好の餌食になってしまったのかなと感じます。

 

私は、どちらも的外れな意見だと考えます。

まず、「乗客に日本人はいませんでした」という歌詞だけを抜き出して、意見を言うのは不自然です。その前後の歌詞の流れを無視しているからです。「乗客に日本人はいませんでした」の歌詞の前後は、次のようになっています。

ニュースキャスターは嬉しそうに

 

こんな夜は逢いたくて 逢いたくて 逢いたくて

君に逢いたくて君に逢いたくて

また明日を待ってる

この前後の歌詞の流れをふまえると、、

 

ニュースキャスターは外国の飛行機墜落事故を、嬉しそうに「乗客に日本人はいませんでした」と伝えるけれど、僕は何を思えばいいのだろう?
こんな夜は君にとにかく逢いたくて、明日を待っている。

 

となります。
前後の流れを踏まえると、だいぶ印象が変わってきたのではないでしょうか?私なりの解釈は、こちらです。

 

僕はとても繊細で傷つきやすい精神状態で、ニュースキャスターが「乗客に日本人はいませんでした」と嬉しそうに言ってるように聞こえた
こんな不安で心細い夜は、とにかく君に逢いたい。

 

ニュースキャスターが決して嬉しそうに言ってるのではなく、嬉しそうに言ってるように聞こえた のではないかと考えます。

また、1番の歌詞で僕が不安や悩みを抱えている様が描かれているのも見逃せません。僕が世の中を皮肉めいた視線で捉えてしまうのも自然だと感じます。

 

そう考えると、ネット上でよく言われるイエモン批判はちょっと不思議な感じがします。もちろん、歌詞の解釈は受け手の自由であり、絶対これが正解ということはないでしょう。本当のことは吉井和哉氏のみしかわかりません。

イエモン「JAM」全体の解釈・曲のテーマとは?

今までは「乗客に日本人はいませんでした」のみをピックアップしましたが、ここでは曲全体の意味について考えたいと思います。

 

「JAM」には、マイナスの意味を含む言葉が多数使われています。例えば、、、

  • 矛盾
  • 裏切り
  • 悲しみ
  • 過ち
  • 凶悪な犯罪者

などです。これらのワードは、歌詞を見る限り、曲の登場人物である僕の思考だと思われます。歌詞を全部読んで考えてみようという方はこちら⇒うたまっぷ「JAM」

 

この時の僕は、とても欝々として暗い感じの男性なのでしょう。

うつ 不眠 睡眠

そんな僕が、曲の後半で前向きで力強い言葉を発します。それが、先ほど引用した「君に逢いたくて~」のくだりです。

上記で見た否定的・悲観的な言葉たちと真逆なものが、君という存在ではないでしょうか。

 

つまり、この曲の全体の主題を一言でまとめるなら、、、

 

こんなどうしようもない世の中だけど、君と希望を持って生きていこう

 

とても明解なラブソングだと私は思います。この「君」とは、女性(妻・恋人)や、自分の子どもなど、いろいろ当てはめることができますよね。

ちなみに、「JAM」の歌詞は、井上陽水「傘がない」と似てる、オマージュではないかという声もあります。

傘 女性 雨

『世の中に対しての不安→君に逢いたい』という流れは、たしかにそっくりです。歌詞を見比べてみると、非常に興味深いです。全歌詞はこちら⇒うたまっぷ「傘がない」

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まとめ

イエローモンキー「JAM」の歌詞の意味について見てきましたが、いかがでしたでしょうか?ここで、今回の内容を簡潔に要約しておきます。

 

「乗客に日本人はいませんでした」の解釈

  • 前後の流れ『ニュースキャスターは嬉しそうに~君に逢いたくて』で捉えると、印象が大きく異なる
  • 僕はとても不安定。ニュースキャスターが嬉しそうに見えただけでは?
  • よく言われるイエモン批判は、的外れでは?

「JAM」全体の歌詞の意味・曲のテーマ

  • こんなどうしようもない世の中だけど、君と希望を持って生きていこう

 

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となります。もちろん、これらは私なりの解釈であり、歌詞の意味付けは受け手の自由であり、どのように感じても間違いではないでしょう。いろいろな解釈ができる歌詞が散りばめられた「JAM」は、時代を越えた名曲であることに変わりはありません。

コメント

  1. MAKOTO TAKAHASHI より:

    この歌詞の「眠り」とは永眠(死亡)を意味しています。
    どんなに会いたくても会えないもどかしさや、人の犠牲の上に権力を築く者、自分達が良ければそれで良い風潮など、こんな裏切りや悲しみの世界よりもあなたの元に行きたいと思う無垢な心の青年期の心情を謳っています。
    Good Night = 「安らかに」と読み替えれば解りやすいです。
    この曲は吉井和哉の感性がとても良く出ていています。

    • にんまり より:

      コメントありがとうございます。たしかに、Good Night = 「安らかに」と考えるととてもわかりやすいですね。参考になります。

  2. 匿名 より:

    人が死んだ、事故で沢山の人が死んだ。日本人が居なかった事でこの放送を見ている人の中に関係する人が少ないというのは可能性が高そうであるが、「嬉しそうに」するのは違うだろうという事かと思います。

    (や、まあ、「嬉しそうに」は「そう受け取った」であるとは思いますが。)

  3. 匿名 より:

    友人とこの歌詞について話し合ったときに、面白い仮説を立てました。この歌詞は男女の二人が出て来てそれがつまり「過ちを犯す男の子」
    「涙化粧の女の子」です。この歌はこの男の子が絶望しながらなんとか生きて行こう!とする物語ではなかろうか?そして女の子の方は「外国籍」でかつ、その飛行機事故で帰らぬ人になったのでは?と。そう思うとこの曲の印象がだいぶ変わります。そして事故の第一報で嬉しそうなアナウンサーを見て発狂しかけますが、彼女との思い出を振り返り、正気を取り戻し「生きて行こう」とする歌。なのでは?と思います。「薔薇色の日々」に近いようなシチュエーションですかね?

    • にんまり より:

      ご意見、ありがとうございます!
      男の子目線で解釈してみると、たしかにまたちがった感じの
      内容に思えてきます。
      いろんな風にとらえられるJAM、奥深いです。

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