クリスマスソングと言えば明るくハッピーな曲調のものが被いですが、そんな中少し異質なのが、B’z「いつかのメリークリスマス」ではないでしょうか。とても綺麗なメロディーなのですが、どこか悲し気で深みを感じさせますよね。
実は、歌詞もとても意味深な内容の失恋ソングになっているのです。
特に、歌詞に出てくる男がクリスマスプレゼントに椅子を買っているのは、なぜなのでしょう?
よく考えると、いろいろ気になるこの曲の歌詞の意味を考察してみました!
「いつかのメリークリスマス」歌詞とストーリー
まず、曲の歌詞はこちらです⇒「いつかのメリークリスマス」歌詞
この曲の歌詞の大まかな構成は、次のようになっています。
Aメロ:幸せだった頃の2人の描写サビ :寂しい僕が幸せだった頃を思い出す
Bメロ:幸せだった頃の2人の描写 サビ :寂しい僕が幸せだった頃を思い出す |
サビは”幸せだった頃の思い出に浸る悲しい僕”、それ以外は”過去の幸せな2人”という対比構造になっています。
幸せな頃⇒寂しい僕⇒幸せな頃⇒・・・という繰り返しになっており、聴き手の感情を揺さぶります。ただ、曲のタイトルが「いつかのメリークリスマス」というように、過去を振り返る僕がメインの内容で、あくまで現在の僕の哀しみを際立たせるために、過去の幸せなエピソードが綴られているといった印象です。
続いて、歌詞の簡単なあらすじについて見てみましょう。
クリスマスムードに包まれた街の中、君の欲しがっていた椅子を 閉店間際に急いで階に行った僕。 荷物をかかえて嬉しそうに電車にのり、君の喜ぶ顔を想像していた。 家に着いて、プレゼントを渡したら、君はとても喜んでくれた。いつまでも2人一緒に・・・と思っていたクリスマスは過去の話。僕は一人立ち止まっている中、幸せそうな顔で足早に通り過ぎていった |
ざっと、このようなストーリーになっています。
僕と君はとても幸せだったが、今は別れてしまった後。昔の2人のクリスマスの思い出に浸り感傷的な気分になっている男の歌と言えます。
クリスマスプレゼントに椅子を選んだ意味とは?
歌詞の中でとくに気になるのが、「椅子」ではないでしょうか。なぜなら、クリスマスプレゼントで椅子を贈るのは、かなり珍しいからです。
しかも、椅子を抱えて電車で帰っているというのも、印象的な光景ですよね。
では、なぜ椅子を買ったのでしょうか?この理由についてですが、
贈り物に生活感を出すことで悲しさを強調したかった
のではと感じました。
幸せだった昔と、寂しい今を対比することで、歌に深みがでてくると思います。この過去と現在のギャップが大きければ大きいほど、聴く者の胸にぐっと迫ってきます。プレゼントが生活感溢れるものだと、余計にこのギャップが出てくるのです。なかでも、椅子はTHE・生活感と言っても過言ではないでしょう。
君が座るはずだった椅子が家にあるけれど、もうそこに君が座ることはない・・・
なんて状況は、本当に辛く悲しいですよね。
ところで、生活感と言えば、2番の歌詞も印象的でした。椅子を買って男が帰ったら、君はちょうど夕食を作っていたという描写が、また幸せそうな様子がでて良いですよね。悲しい内容のサビとの対比になります。
2人の別れの原因とは?
さて、もうひとつ気になるのが、あんなに幸せそうな2人だったのに、なぜ別れることになったのか?ということです。
別れの原因については、歌詞には出てこないと思ったのですが、よく読むとひとつだけ気になるフレーズがありました。
それは、
がむしゃらに夢を追いかけた
というフレーズです。
この”がむしゃらに”という表現から、この夢は僕一人だけが夢に向かっていたのでは?と想像します。
もしかして、男は歌手か何かを目指していて、がむしゃらに毎日夢に向かって頑張っていたのではないでしょうか。そんな日々の中、徐々に彼女への意識が薄れていき、別れにつながってしまったのでは?と感じました。
彼女の存在が当たり前になりすぎて、かけがえのない人という意識が薄れてしまい、別れにつながるというケースは、現実に多くある話でしょう。離れた時に初めてわかる彼女の存在の大きさ、でも気づいた時にはもうどうしようもない・・・本当に辛いですが、こんな話は実際に多くありそうです。
この歌詞に登場する僕も、そうだったのかもしれませんね。
まとめ
B’z「いつかのメリークリスマス」の歌詞について見てきましたが、いかがでしたでしょうか。いろいろ考察しましたが、考えるたびに深みが出てくる内容で、作詞をされた稲葉浩志さんのスキルの高さに感動です。
簡潔に歌詞解釈の内容をまとめると、
歌詞の概要:幸せだった頃のことを思い出し、感傷に浸る僕。君はもういない
椅子の意味:プレゼントに生活感があると、より歌詞に悲しさが出る 別れの原因:僕ががむしゃらに夢を追いかけたから |
となります。個人的な感想ではありますが、あなたの好奇心が少しでも満たされれば、嬉しいです。また「別の解釈がある!」などご意見あれば、コメント頂けると幸いです。
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