春と秋のお彼岸、ご先祖様を供養するこの期間は、お墓参り・実家・親戚の家などに行く機会が多いと思いますが、その時に持っていきたいのが「お供え物」です。でも、お彼岸のお供え物は何を持っていけばいいのか、選ぶ時にけっこう悩んでしまいませんか?
お墓参りと家に持っていくお供えとお寺に持っていくお供えは同じでいいのか、春彼岸と秋彼岸では何かちがいがあるのか、などなど気になるポイントについてまとめてみました。
お菓子類(和菓子・洋菓子)のお供え
お供え物としてまっさきに思い浮かぶのが、お菓子類です。おもちなどの生もの、日持ちのするお菓子ごとに、それぞれおすすめの逸品を厳選しました。百貨店の売り場に行くと本当にいろいろあって選ぶのに一苦労しますよね。「これだったら普通すぎるかな?」「これはお供えとして非常識かな?」などなど・・・。私も百貨店売り場を何周もしてぐったりした経験があります。
そうらないためにも、あらかじめ人気どころを確認しておきましょう。頭がスッキリしてスムーズに選べるようになりますよ
☑古くからの定番 ぼたもち・おはぎ
お彼岸のお供えと言えば、ぼたもち・おはぎが定番ですね。この2つ、どちらが春彼岸・秋彼岸のお供えか決まっているのですが、ご存知でしょうか?ヒントはそれぞれの名称です。
答えは、、、
春彼岸:ぼたもち
秋彼岸:おはぎ |
昔からこのように春と秋で使い分けられていました。その由来は、言葉の響きにありました。ぼたもちを漢字で書くと「牡丹餅」、おはぎを漢字で書くと「お萩」ということで、それぞれ春の花 牡丹と、秋の花 萩の花にちなんでいるというわけです。四季が感じられて、言葉遊び的な要素が入っていて、なんだかとても日本的な感じがして素敵ですよね。
ただ、ご家族の好みなどもあると思いますので、必ず用意しないといけないわけではありません。生もののため日持ちしないですし、何かと大変ですので。ただ、用意する場合は上記の由来をふまえて、春・秋彼岸に適したものを準備するとスマートです。
ちなみに、おはぎ・ぼたもちに比較的近いお饅頭・大福も良いですね。
☑日持ちするお供え物(クッキー・煎餅・羊羹など)
おはぎ・ぼたもちも良いですが、日持ちする便利なお菓子類もおすすめです。昔ほど、ぼたもち・おはぎを重視する傾向が薄れてきており、今ではクッキー、おせんべい、羊羹(ようかん)など幅広く選ばれています。要は、ご家族や故人が好きな物でお供えものらしいものなら基本OKなのです。(もちろん、家柄やご家族の考えによりますが)
また、知人に渡すお供えは後で親戚でわけたりすることもあるので、分けやすいお菓子ならなお良しです。お寺さんに渡す場合は、クッキー・おせんべいなど賞味期限が長いものが適しています。
では、安心して持っていける人気どころをご紹介していきます。
クッキー
京老舗の伊藤久右衛門さんのサブレです。初めて食べたら、抹茶の濃厚さに驚かれるのではないでしょうか。宇治抹茶の専門店の良さがキラリと光る逸品です。
せんべい・おかき
長岡京 小倉山荘さんのをぐら山春秋 中缶です。8種類のあられが日本の四季折々の風情を表しています。
ようかん・ゼリー
菓宗庵さんの水羊羹・ゼリーのギフトセットです。和風ながらもモダンな要素を取り入れたおしゃれな逸品です。
生花・フラーアレンジメントのお供え
お供え用の仏花といえば、仏壇・お墓用はもちろん、親戚やお世話になった人の家に花を送りたい、といった場合もありますよね。生花、フラワーアレンジメントなど種類もたくさんあり、選ぶのも悩みどころ。ここでは、お彼岸の花の選び方、人気の花をチェックしていきましょう。あわせて、春彼岸・秋彼岸で送る花にはどんな違いがあるのかも、あわせて確認しておきたいと思います。
☑花選びの基本
仏花の選び方は、昔はその季節に合った花を選んでいました。しかし、現代ではお花も温室栽培で季節感がだいぶなくなってきました。そのため、春彼岸・秋彼岸・お盆などで大きく変わるということはありません。
何より大切なのは、故人をしのぶ気持ちです。あなたの気持ちをこめて花をお供えしましょう。
いちばん王道なのが、菊・ユリ・蓮などです。
これらの花のどれかをメインにして、ダリア・桜・菜の花・コスモスなど季節感ある花でアレンジされたものを選ぶのが無難です。お花屋さんに行くと、菊やユリの花をメインにいろいろな花とセットにされたものが売っています。例えば、このような組み合わせなど、ぜひお気に入りの花を見つけてください(^0_0^)
一度、花屋さんに行く前にイメージをつかむために、どんなパターンがあるかざっと確認しておくのがおすすめです。花キューピットさんのHPでは、たくさんの種類が見れるのでオススメです♪
ただ、選んではいけない花があるのでここは要注意です!避けるべき花は、次の特徴がある花です。
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淡い色合いの控えめな花がお供えの基本なので、個性的な花は控えたほうがよいです。NGな仏花として代表的なものは、薔薇と彼岸花です。
ただ、故人がバラの花が好きだったとなればどうなの?と思われるかもしれません。人によって意見がわれそうですが、私なら有りかなと考えます。誰のために、お参り・お供えをするのかということが大切なので。
☑造花・ブリザードフラワーはいいの?
お供え用の花は生花がいいと思うけど、手入れが大変・・・造花は問題ないのかと思ったことありませんか?
基本的には、造花でも問題ありません。
故人を偲び花をお供えするという気持ちが本質なので、生花でなければならない訳ではありません。とくに、地域によっては生花は暑い時期はすぐ枯れてしまったり、虫がわきやすいなどの問題もあるので、造花のほうが良いケースもあります。
しかし、お寺のご住職や親類など、あなたのお墓と関わりのある人達が「仏花は生花でなければならない」という考えのケースがあります。宗教的に自由な霊園などはとくにこだわりがない場合が多いですが、お寺に墓地がある場合はこういったケースがあります。周りのお墓の花がどうなっているか、親戚などにそれとなく聞いてみるのがよいでしょう。
造花の中でも本物とみまちがうブリザードフラワーもお供え用として、たくさん販売されています。ブリザードフラワーというと、母の日などの贈り物として人気ですが、仏花用もすっかり定着してきたように思います。ぱっと見、本物に見えますね。
ブリザードフラワーはかわいくてお洒落なデザインのものが多く、ガラスドームなどに入っているものは簡単にお供えができて便利です。
線香・ローソクのお供え
お供えや帰省の挨拶として、線香・ローソクという選択肢もあります。
ただ、進物用の線香・ローソクは桐箱に入っていたりして、お菓子類と比べると、ちょっと格式ばった感じがするかもしれません。先方が普段から仏壇でよくお参りをされるようなら、きっと喜ばれると思います。お彼岸で線香・ローソクを渡すべきかは、その家での習慣などを踏まえて選ぶのが無難です。
お彼岸ではなく、「新盆(にいぼん・あらぼん)」または「初盆(はつぼん)」といった故人が亡くなられて初めて迎える特別なお盆には、線香・ローソクを贈るのは適していると思います。
例えば、こちらのお線香3種セット「花くらべ」は、通販で人気です。
お彼岸のお供え 金額の相場
今まではお供え物の選び方・人気の品々について見てきましたが、ここでは気になる金額の相場を確認しておきましょう。目安の金額は、こちらです。
御菓子類 2,000円~3,000円程
仏花 3,000円程
線香・ローソク 3,000円~5000円程
これくらいが相場の金額になります。本記事でご紹介したお菓子なども、おおよそ上記の金額にあてはまっています。もちろん、実際品物を選んでいると多少上下することもありますので、ひとつの目安です。お供えしたいものを供える、あくまで気持ちを大切にしたいところです。
まとめ
お彼岸のお供えについて、選び方・人気の品・金額の相場についてみてきました。お供えの品物をさまざまなジャンルがあり、選ぶのに頭を悩ませてしまいがち。そんな時に、今回の内容が少しでもお役に立てば嬉しいです。
簡単に、今回の内容をまとめてみました。
お菓子
以前は、春彼岸「ぼたもち」秋彼岸「おはぎ」という慣習が根付いていましたが、最近では薄れてきて季節感がなくなってきています。おまんじゅう、大福など幅広く選ぶ方が増えています。
無難なのが、日持ちのするお菓子(せんべい・クッキー・羊羹など)です。さらに分けやすい小分けタイプのものが便利です。
花
菊、百合をメインして、お好みの花と組み合わせるのが自然です。生花だけでなく、造花・ブリザードフラワーもおすすめです。(親類、お寺がこだわりを仏花は生花にすべきとこだわりをお持ち場合は、その慣習に合わせるのがベターです)
お供えとして、NGなのがバラ・彼岸花などのトゲあり・毒あり・派手な花です。
線香・ローソク
お供えとして、線香・ローソクもおすすめです。ただ、通常のお彼岸に進物用の線香ローソクは、すこし格式ばった感じがするかもしれません。住んでいる地域や考え方によって差がありますが、ちょっとちがうかも?と感じられる場合は、新盆(初盆)など特別な時にだけ線香・ローソクをお贈りするのが無難です。
金額の相場
およそ3,000円程が目安です。
御菓子類 2,000円~3,000円程
仏花 3,000円程 線香・ローソク 3,000円~5000円程 |
春彼岸・秋彼岸でお供え品には大きな違いがなくなってきたのも、時代を感じますね。春はぼたもち(牡丹餅)・秋はおはぎ(お萩)というのも薄れてきましたし。季節感度を出したいなら、仏花に季節の花をセレクトしたりくらいでしょうか。
昔からの風習が変わってきても、故人・ご先祖様を思う気持ちは変わらずに、お彼岸を過ごしていきたいものですね。
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