お彼岸とは?意味やお盆との違い|おすすめの過ごし方についても

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谷中霊園のフリー写真素材

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お彼岸・お盆の時期は、多くの方がお墓参りに行き、ご先祖様のことを思うわけですが、この2つの風習のちがいは何なのか、それぞれの意味を知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?

  • 子どもに「お盆とお彼岸のちがいは何なの?」と聞かれる
  • 親戚など大人同士の会話でもふとした時にお彼岸の話題になる

なんてことも意外とあったり(;^_^A

そんな時のために、これさえ知っておけば安心なお彼岸の意味や由来、お盆との違いについても簡潔にまとめています☆

特にお供えものの違いなどは、ふとしたときに話題になる可能性もありますし、しっかりおさえておきたいところです☆

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お彼岸とは?意味や由来のポイントを確認

まず、お彼岸の時期について。

春(3月)と秋(9月)と1年に2回あります。それぞれ、春分の日・秋分の日の前後3日間の期間(7日間)をお彼岸と言います。

※お彼岸の日にちは毎年同じことが多いですが、年度によっては1日ずれる場合があります。

お彼岸の期間や年度によって日がずれる理由について詳細はこちらをどうぞ。

 

続いて、言葉の意味について見ていきましょう。

この「彼岸」という言葉ですが、これは仏教用語で、語源はサンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多)」となります。この「パーラミター」の漢訳語「到彼岸」が由来となっています。

辞書的には、このような意味になります。

ひ‐がん【彼岸】

仏語。生死の迷いを河・海にたとえた、その向こう岸。悟りの境地をいう。

⇔此岸 (しがん)

デジタル大辞泉

彼岸の反対語は、此岸(しがん)です。普段、使わないですしなじみのうすい言葉ですよね。

 

ちょっと仏教的な説明はわかりにくいので、彼岸と此岸についてやわらかい表現に変換してみました。

 此岸≒煩悩の世界≒この世

 彼岸≒悟りの境地≒あの世

此岸はこの世、彼岸はあの世のことを指すのですね。

仏教的には、煩悩と迷いの世界である此岸から、悟りの境地である彼岸へは「六波羅蜜(ろくはらみつ)」の修行をすることで到達できるとされています。

ちなみに、六波羅蜜とはこちらの6つの徳目です。

 ①布施(ふせ)
 ②持戒(じかい)
 ③精進(しょうじん)
 ④忍辱(にんにく)
 ⑤禅定(ぜんじょう)
 ⑥智慧(ちえ)

それぞれの詳しい意味については省きますが、おおまかな意味合いは次のようなものになります。

 

「忍耐強く謙虚に努力し自己を省みよう」

要するに、しっかり自分と向き合う時間をつくろうということですね。時間に追われ何かとせかせかとしがちなこの現代、こういった考え方はとても意味のあることのように思います。ご先祖様のことを思うのはもちろん、自分の修行の時期でもあったのですね。

 

でも、自分の修行の時期なのにどうしてお墓参りをするのか?と疑問に思われるかもしれません。ここで、しっくりくるような解釈をご紹介したいと思います。私は、この考え方がすごく腑に落ちました。

春分・秋分の日は、1年のうちで昼夜の時間が同じ

あの世とこの世の境界が曖昧になる

あの世(彼岸)にいるご先祖様に思いが通じやすい

だから、お墓参りに適している

 

さて、今までのことをふまえて、お彼岸の意味をシンプルに整理するとこのようになります!

  1. お彼岸とは、あの世のこと
  2. お彼岸は、修行(自己反省)の期間
  3. お参りする理由⇒この世とあの世が近くなるため

仏教的な難しい由来や意味は多々ありますが、私なりにわかりやすく凝縮したらこのようになります。これだけでも現代人にとっては充分なお彼岸知識かなと思います。

 

余談として、御先祖様を思う(あの世のことを意識する)ことと、自分自身を省みる(自己反省)ことのつながりについて、私の考えをひとつご紹介させていただきます。

 

人は、お墓参りをしている最中にどんなことを考えているでしょう?多くの場合は次のようなことではないでしょうか。

 

  • 故人と一緒に過ごした記憶を思い出す
  • 故人に感謝する
  • 故人に今の自分の近況などを報告する
  • 故人または自分の代々の先祖に感謝する
  • あの世で楽しく過ごしてくださいと願う(または、楽しくし過ごしていると想像する)

 

などなど個人差はあるでしょうが、ひとつ言えることは、

 

人は、お墓参りの時にプラスのことを思い浮かべやすい

 

ということです。

故人に対して嫌な感情を持っていたなんてケースもあるでしょうが、わざわざお墓参りの時にマイナスの記憶を引っ張り出してくるといったことはないでしょう。

つまり、お墓参りをしている時、人は精神状態・心が落ち着きやすいのです。

 

お墓参りは、”あの世の御先祖様を意識し、感謝する”と同時に、”自分自身のプラス”にもなっているのではないでしょうか。

お彼岸に何をする?おすすめの過ごし方

「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように、一般的にはとても過ごしやすい時期になります。ただ、過ごしやすいからと言って、休日を思いっきり楽しむだけ・・・ではあまりよくありません。

仕事など何か仕方のない用事がある場合を除いては、お彼岸にはやる(べき)ことがあるものです。ここからは、お彼岸の過ごし方について見ていきましょう。

 

お墓参り

 

お彼岸といえば、やはりお墓参りです。昔ほどお墓参りに行く人は減ってきたとは言いますが、まだまだお彼岸の期間に家族や親せきなど予定を合わせて、お墓参りに行かれる人は多いです。

 

お墓参りは「お彼岸の期間中のいつ行くべき?」と思われるかもしれませんが、とくに日にちに決まりはありません。祝日で予定も合わせやすいですし、昼夜の長さがほぼ同じになるので、中日(春分・秋分の日)に行くケースが多いのかなと思います。

お墓参りに行ったら、まずはお墓掃除です。

お墓の周りの雑草を抜き、墓石の汚れをとってあげます。手桶とひしゃくで墓石に水をかけて、きれいにしてあげましょう。

そして、持ってきた生花やお供物(おはぎ・ぼたもち等)をそなえて、線香・ローソクをつけてあげ、みんなで手を合わせてお参りをしましょう。

 

お供え物についてですが、一般的に春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」と言われます。これはそれぞれ季節の花が由来とされています。少し下の「お供え物」のところでふれています。

 

家でお参り(仏壇がある場合)

仏壇の線香の高画質画像

家に仏壇がある場合は、仏壇にもしっかりお参りをしましょう。

仏壇があっても、毎日お参りしているのは、おじいちゃん・おばあちゃんだけ、なんて家も多いかと思います。子どもたちは、仏壇の前に座ることなんてほぼないといったことも珍しくないです(私の家がそうでした。子どもの頃は、年に数回しか仏壇の前に座らなかった記憶があります…)

でも、お彼岸やお盆の時は、お墓同様お供え物をして、家族みんなで仏壇の前で手を合わせましょう。

 

また、昔ほど多くはないですが、田舎のほうでは自宅へ僧侶を招き読経してもらうこともありますよね。「御布施(御車代)」の金額の目安が悩みの種ですが、お経の本を見ながらお参りしたり説教を聞けたりと、仏教が近く感じられる貴重な風習です。

 

自分と向き合う時間をつくる

お彼岸は、仏教的には悟りの境地に至るため、六波羅蜜(布施持戒精進、忍辱、禅定、智慧)の修業をする期間です。先述のとおり、六波羅蜜の修業をものすごく大まかにまとめると、しっかり自分と向き合うということ。

 

もちろん、現代人は悟りを目指すわけはないので修行というと少し誤解されるかもしれませんが、静かな場所で自己を省みる時間を取ってみるのもおすすめです。

 

具体的には、スマホ・携帯電話・パソコン等のインターネット断ち、依存症になりがちなソーシャルゲームやSNS断ち、などなどです。

想像以上に膨大な情報にさらされ続けている今の時代、これらのことを数時間やめてみると、心がスーッとすると思います。思考もシンプルになり、本来の自分らしい考えが思い浮かぶかもしれませんよ。

 

SNS疲れなどを感じつつもついつい続けてしまう・・・そんな方は多いはず。一度、やめてみるタイミングとして、お彼岸が適していると思います。

お彼岸とお盆のちがいは何?

お彼岸とお盆は、「ご先祖様を供養する」という点では同じです。どちらも、家族や親せきなどとお墓参りをされていると思います。とても似ているのですが、すこしだけ深く見てみると、けっこう違いはあるものです。

ここでは、違いを項目ごと(もともとの意味・家での過ごし方・お供え物)に確認していきましょう!

 

お彼岸・お盆のもともとの意味

お盆 :ご先祖様の霊を迎え入れ、供養して送りだす

お彼岸:こちらがご先祖様へ会いに行く(あの世と距離が近くなるため)

ご先祖様を思い出し供養するという点では同じですが、それぞれの意味・目的が明確に違います。

 

お盆は、ご先祖様がこちらの世界に会いに来てくださるのです。最近では少ないかもしれませんが、家では提灯や盆棚をかざったりいろいろ迎え入れる準備をする風習が残っています。

また、ご先祖様の霊を送り返す行事といえば、8月16日に京都で行われる有名な「五山(大文字)の送り火」が思い出されます。

一方、お彼岸はご先祖様へとこちらから寄って行くのですね。春分・秋分の日は昼夜の長さがほぼ同じになり、此岸(この世)と彼岸(あの世)の境界があいまいになるため、祖霊へと思いが通じやすくなると言われています。

お彼岸・お盆の家での過ごし方

田舎の夏(縁側)

 

お盆 

祖霊を迎え入れるために、お墓掃除や盆飾りをするのが昔からの慣習です。都市部では見かけることは少ないですが、お仏壇がある家では盆飾りをされる家は多くあります。飾り方については、宗派や地域によっても異なりますが、次のようなものが一般的です。

盆棚(精霊棚)位牌、故人の好きだったもの、お盆のお供え物(そうめん、水の子、お団子)等を飾ります。
きゅうりの馬・なすの牛精霊があの世とこの世を行き来するための乗り物。キュウリ(胡瓜)の馬は早く帰ってこれるようにという意味、ナス(茄子)の牛はゆっくりと帰っていただくようにという意味があると言われています。
お盆提灯精霊をお迎えするための、迎え火をたく提灯です。

また、今後広まるかはまだわかりませんが、「お盆玉(おぼんだま)」にも注目ですね。いわゆるお年玉のお盆バージョンで、郵便局や株式会社マルアイ(紙製品のメーカー)などが普及に力を入れています。夏っぽいデザインの専用ポチ袋などもたくさん販売されています。

 

お彼岸

お盆と比較すると、シンプルです。主に、お仏壇の掃除やお参り・お供えなどを行います。現代ではお仏壇がある家も少なくなってきたので、お墓参りが一番のメインかと思います。

また、菩提寺などがある場合は、お寺で行われる彼岸会法要に参加するなどがありますね。仏教に深く触れる貴重な機会なので、できるなら参加してみるのをおすすめします。

 

私は住職の説教がある時から興味深くなり、これを聞くのを楽しみだったりします。あまり会わない近所の人と顔を合わせたり、など過ごし方次第ではとても意味のある日になります。

 

お彼岸・お盆のお供え物 比較|なす・きゅうりが必要なのは?

 

仏壇やお墓にお供えするのは、お盆・彼岸どちらも同じですが、お供え物にも違いがあります。代表的なものについてまとめました。

 

お盆

  • 盆菓子
  • 日もちのするお菓子(せんべい・クッキー・ようかん・栗おこしなど)
  • お団子
  • なすやきゅうりでつくる精霊馬

 

お彼岸

お彼岸のお供えはお盆ほど特徴的なものは少なく、日もちのするお菓子(せんべい・クッキー・ようかん・栗おこしなど)が一般的です。

 

そして、もうひとつお彼岸のお供えで忘れてはいけないのが、

 

  • 春彼岸「ぼた餅」
  • 秋彼岸「おはぎ」

 

全国的にも広く浸透しているのでこの2つについて、どうしてお供えする季節が決まっているのか、その理由を簡潔にまとめてみました。

 

①春彼岸にぼた餅をお供えする理由

ぼた餅を漢字で書くと、「牡丹餅」となります。春の花である牡丹にちなんでいるからなんです。

 

②秋彼岸におはぎをお供えする理由

おはぎを漢字で書くと、「お萩」となります。

向島百花園の萩のトンネルのフリー写真
秋の七草のひとつである萩の花にちなんでいるからなんです。

 

☑粒あん・こしあんの豆知識

ここで、ぼたもち・おはぎのあんについての豆知識を♪一般的に、ぼたもちはこしあん、おはぎはこしあんです。どうして、あんの種類が変わるかというと、それはあんの原料である小豆の収穫時期が秋であることと関係しています。

 

獲れたての小豆はやわらかく、皮もいっしょにつぶして作るので、粒あんができます。
一方、収穫から時間が経った小豆は皮が堅くなるため、皮を取り除いてあんを作るので、こしあんができます。
上記の理由から、ぼたもちがこしあん、おはぎが粒あんとなります。

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まとめ

以上、お彼岸の意味や過ごし方、お盆との違いについて見てきました。お彼岸のこと意外と知ってるようで、知らないことも多くありませんでしたか?私は正直、どちらもお墓参りにいくという認識程度でした・・・が、これでポイントをおさえられて一安心です。

ここで、簡単に今回の内容を振り返っておきたいと思います!

 

お彼岸の意味・由来

お彼岸とはあの世のこと。お彼岸の中日である春分・秋分の日は昼夜の長さがほぼ同じになり、この世とあの世が近くなる日と考えられており、お墓参りに行くのに適しています。

また、仏教的には修行の時期でもあります。

 

お彼岸の過ごし方

お墓参りや墓掃除、仏壇のお参りやお供えなど、ご先祖様のことを思い供養をします。そこまで、決まりきったものはありませんので、普通にお墓参りをするのが一般的です。

また、本来は自己の修業期間ということにちなんで、自己を見つめなおすために時間をとるのもおすすめです。テレビ等のメディアや、インターネット(スマホ・PCなど)、SNSをやめてみるのもおすすめです。リセットし、本来のあなた自身へと生まれ変わりましょう。

 

お彼岸とお盆の違い

お盆   :ご先祖様の霊を迎え入れ、供養して送りだす

お彼岸:こちらがご先祖様へ近づく(あの世と距離が近くなるため)

 

1年に2回しかない貴重なお彼岸という時間、本来の意味や由来を考えつつ、これからも大切に過ごしていきたいですね。

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