テレビ番組作りに関われる人気の職業 放送作家・構成作家。秋元康、鈴木おさむ、小山薫堂、高須光聖、おちまさと等、有名な人たちもたくさん思い浮かびますね。今も多くの人が憧れる人気のお仕事です。
ただ、そ実際のところどんな仕事をしているのか意外と知られていません。。そこで、今回はそんな作家さんの仕事内容や作家になる方法について詳しく迫りたいと思います!芸人さん・作家さんの知り合いに聞いた情報をもとに書いていますので、ぜひご覧ください☆
放送作家/構成作家の仕事内容
放送作家/構成作家の仕事は、大きく分けて4つに分かれます。テレビ・ラジオ、ネタ(漫才・コント・コメディ等)、講師、その他(映画、メディア出演等)の4つです。ここでは、それぞれの仕事について詳しく見ていきます。
テレビ・ラジオなど番組構成の仕事
放送作家といえば、やっぱりテレビ・ラジオの仕事です!番組のエンドロールのテロップで「構成」のところに名前が書かれている方達です。テレビ・ラジオの番組作りに関わる作家の主な仕事は、次のようなものです。
・企画会議
・番組の構成台本やナレーション書き
普通の作家さんはこのような裏方の仕事をされています。みんなで真剣に企画を出し合い、番組が生まれる企画会議という場にいれるのは、テレビ好きにとってはたまらないですよね。番組への愛、楽しいことを追及し続ける情熱がある人には、一生わくわくできる貴重な仕事です。
バラエティー番組を見る際にナレーションの表現なども注意して聞いてみるのも、作家の仕事を知るためのおすすめの方法です。番組ごとにいろんなパターンやクセが見えてきて面白いですよ。
台本作家(漫才、コント、落語、コメディなど)
さまざまなネタやコメディ台本を書く台本作家としての仕事もあります。主に、お笑いライブのネタ提供・構成、テレビ・ラジオ番組へのネタ提供の、2パターンに分かれます。
ここで、お笑いライブ・舞台向けの気になる収入について。作家のランクによっても異なりますが、テレビの構成作家と比べて、収入は落ちます。とくに、お笑いライブ関連はギャラに期待は抱いてはいけません。まだ駆け出しの若手芸人さんと一緒に頑張っていくんだ!という気概で臨む必要があります。
お笑いライブの作家と言っても、企画やコーナー等の構成、ネタ作り、映像の編集、など
いろんな仕事があります。ちなみに、若手芸人さんのほとんどは自分でネタを考えますが、ライブの手伝いをする中で関係性を築き、苦楽を共にすることができるやりがいのある仕事です。
テレビ・ラジオのネタ番組に漫才・コメディ台本を提供するという仕事があります。漫才番組を見ているとごくまれに、「漫才タイトル 作 ○○」といったテロップが出てくるのですが、ご覧になったことあるでしょうか?
昔と比べて少なくなってきましたのでなかなか見るチャンスはありませんが、例えば、次のような番組で見ることができます。
・吉本新喜劇(最初に「作 ○○」と作家名が出ます)
・ABCテレビのお昼のコメディ番組(現在は放送終了)
・お正月等の漫才特番 ベテラン漫才師さん
・上方演芸ホール(ラジオ番組)
関西色が強めですが、これらの番組は作家さんの仕事をイメージするうえでとても参考になります。それぞれの特徴について見てみましょう♪
吉本新喜劇は、コメディの書き方のお手本。ベタでわかりやすいストーリー展開は本当に勉強になります。作家志望なら、物語の設定・構成(ストーリー・伏線)などを注意して見ていきましょう。新喜劇は定番設定(うどん屋、旅館など)のなかに、その時々の流行りもうまく取り入れてくるので、時事ネタを作る際の参考にもなりますよ。
ABCテレビでは、1975年~2013年まで日曜12時から日曜笑劇場という枠で、さまざまなコメディが放送されていました。
「さんまの駐在さん」「なんじゃそら三人組」「なにわ人情コメディ 横丁へよ~こちょ!」
など、その当時人気を集めていた若手芸人さんが主役の番組でした。舞台なのでセットはひとつ。同じ場所でうまくストーリーを展開させて楽しませるコメディは、シナリオとはまた違った楽しさ・難しさがあります。素晴らしい番組だっただけに終了したのが惜しまれます・・・
お正月などお笑いの特番でも作家さんの名前が出ることがあります。何の番組とは具体的に覚えてませんが、ベテラン漫才師さんの時にごくまれに名前が出ます。
昔は、普通に作家さんの名前は出ていたんですけど、最近はめっきりです。ちょっと古い話ですが、夢路いとし・喜味こいしさんの漫才前にはよく作家名が出てました。『「ジンギスカン」 作 中田明成』といった感じで。
ちなみに、いとこい師匠は多くの作家による新作漫才を演じてきており、台本のセリフをアレンジせず忠実に喋っておられたという話を聞いたことがあります。書いた側としては、身が引き締まる思い!そして、自分のネタをそのままやって頂ける喜び!作家冥利に尽きるのではないでしょうか。
講師の仕事
作家志望、芸人志望の学生に教える講師という職業もあります。作家が指導に関わっている代表的な学校・養成所は、たくさんあります。例えば、YCC よしもと クリエイティブカレッジ、日テレ学院のバラエティ作家講座などですね。(作家になるための学校は、後ほど「作家になる方法」でご紹介します)
こういった学校で講義し、明日の作家を育てていく仕事です
その他の仕事(雑誌連載、本の出版、映画など)
その他の仕事は、雑誌のコラム連載、本の出版、ドラマ・映画のシナリオ、メディア出演など、何でもありです!
放送作家さんは普段テレビやラジオなどで幅広いテーマを扱っているわけなので、知識が幅広いことが多いです。バラエティ番組ひとつ取っても、毎週さまざまな企画を考えるために、流行りを取りいれたり、番組のターゲット層にウケる情報をリサーチしたりと、常に知識をインプットしています。さらに、情報番組やクイズ番組などを担当していたら、さらに視野は広がります。
そういった背景があるからなのか、自分の強みを生かしてさまざまな仕事で活躍されている作家さんが多いです!ごく一部ですが、有名どころの方の名前とと代表作をを挙げておきます。
小説
百田 尚樹『海賊と呼ばれた男』
映画
ドラマ
メディア出演
テリー伊藤、秋元康、鈴木おさむ など一部の超人気作家さんになると、テレビ番組・ラジオ番組・CM出演など、メディアに登場されます。
放送作家・構成作家になる方法
ここからは、作家のなり方についてです!作家の仕事は、とてもクリエイティブな発想が求められ才能がなければできないというイメージを持たれがちですが、決してそうではありません。並々ならぬ熱意と継続力があれば、可能性はあります。夢を夢のままで終わらせないために、ぜひ挑戦を!
とはいえ、かなり狭き門なので全力でぶつかる必要があります!ここでは、正攻法からちょっとした裏ルートまで、作家になるにはどうすればいいのかを見ていきましょう。
正攻法~放送作家の学校に入る~
まずいちばん普通の方法としては、放送作家・構成作家を養成する学校に通うことです。いろいろな芸能事務所、テレビ局がやっているんですが、代表的なものを一覧にしてみました。
やはり、人気なのは大手芸能事務所やテレビ局による学校です。ほとんどの学校は東京にありますが、遠方の方は通信講座などを利用できる学校もありますので、ぜひチェックしてみてください。(YCCは、東京校・大阪校の2か所があります)
そして、大阪にある心斎橋大学・大阪シナリオ学校も、関西にお住まいの方ならぜひ選択肢のひとつに入れておきたいところ。心斎橋大学は、関西ローカルの番組に強いという特徴があります。大阪シナリオ学校は、漫才などネタ色がかなり強い授業が期待できます。漫才・コントなどネタ作りを学びたという方に適しています。
学校に入っても、作家になれるのは狭き門です。入学したことで安心してしまわず、常に積極的に授業・課題に臨むことが必要です。何がチャンスになるかわからないので、講師とのつながりもしっかりとつくっていきましょう!
ADから作家へ転身
AD(アシスタントディレクター)になってから、放送作家・構成作家へ転身するという方法です。ちょっと遠道なようですが、これが意外と近道になることも充分あるのです!
作家養成学校ではできない現場の体験を積むことができるのが大きな特徴です。ADになることで、制作現場や企画会議の様子を直接見ることができます。構成作家さんがどんなふうに会議でプレゼンし、みんなでブラッシュアップし、完成へとつなげるかがわかってしまうのです。これ以上の企画の勉強はないと思います。
時機を見て、気になる作家さんに「実は放送作家の仕事に興味があるんです」と話して、コネクションをつくることを目指しましょう。断られてもめげずに頼み、ちょっとしたアイデア出しを頼まれたりしたら、最高です。コツコツ頑張り、その作家さんにとってなくてはならないアシスタント的存在を目指しましょう。そして、作家へとじわじわと近づいてくのです。
やはりコネはとても重要です。回り道なようで、ADからの転身は裏の正攻法と言えるかもしれません(もちろん、ADの仕事はきついので人一倍の体力と情熱が必要です)
NGKなど劇場の進行係
なんばグランド花月のサイトくらいでしか見たことがないですが、劇場の進行係という方法もあります。常時募集されているわけではないので、なるのはかなり難しいですが、体力に自信のある人はチャレンジする価値があります。芸人さんと関わりながら、新喜劇、漫才が生で見られて勉強ができる貴重な仕事です。
※YCCの学校ができ、生徒が進行を手伝うこともあるようなので、NGKでは滅多に進行係の募集は行われないかもしれません。
公募(シナリオ・脚本など)
バラエティ番組の構成作家とは異なりますが、テレビ番組つながりということで、ドラマの脚本などの公募に挑戦するのも方法です。
キー局が毎年公募しているドラマ脚本の賞、NHKのラジオ局によるラジオドラマ公募、映画脚本の公募など、シナリオライターの公募はたくさんあります。バラエティ番組を担当されている作家さんも、ドラマや映画のシナリオを書いている人も多いですし、興味があればぜひ挑戦してはいかがでしょう(^^)/
シナリオの書き方は、漫才・コントとはまた異なるので少し勉強が必要です。本も多くでていますし、シナリオライターを養成する学校に入るのもおすすめです。主な学校はこちらです。
どちらも現役で活躍する有名脚本家の講義、添削をしてもらうことができます。独学では気づけない自分の弱みを早期発見できるので、お金に余裕があれば通ってみるのもありです。
まとめ
放送作家・構成作家の仕事内容、なり方について見てきましたが、想像通りだったでしょうか?何となく、芸人さんの横にいて笑っている人、楽そうなイメージを持たれがちな職業ですが、常にアイデアを出し続けなければいけないハードな、でも最高に楽しいお仕事です!ここで、今回の内容を簡単に振り返っておきたいと思います。
放送作家・構成作家の仕事内容
- テレビ・ラジオの構成(企画、ナレーション書き等)
- 台本(漫才・コントのネタ、お芝居、落語など)
- 講師(大手芸能事務所、テレビ局が開講する学校など)
- その他(本の出版、雑誌連載、映画・ドラマ脚本、TV出演など)
作家になる方法
- 作家養成学校(YCC、日テレ学院など)
- ADから転身
- 公募(シナリオライターに関心が高い場合)
作家の仕事はかなり幅広く、やり方しだいでは可能性に溢れています!収入の差はピンキリなのでそれなりの覚悟が必要ですが、一度きりの人生を思い切って目指すのもまたひとつの道です☆
そこで、はじめに悩むのが、作家になるにはどうすればいいのか?ということですが、少しでも参考になれば幸いです。補足として、テレビ番組の企画・コーナー募集、漫才・落語・コメディなどの公募(滅多にないので、随時公募ガイド等でご確認を)にあわせて挑戦するのも、おすすめです。ぜひとも、作家へのチャンスをつかみとりましょう(^^)/
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