スピッツには「ロビンソン」「チェリー」をはじめ数々の大ヒット曲がありますが、実はアルバム曲の中には歌詞がかなり独特で強烈な曲たちがたくさんあります。
例えば、「おっぱい」「あわ」「うめぼし」など、もうタイトルからして独特ですよね。テレビ番組でも、謎曲として注目されていました。謎というよりは、エロスそのものと言ってもいいでしょう♥
そこで、今回はスピッツのちょっと変わった曲についてまとめてみました。強烈な歌詞やその解釈など、スピッツのHな奥深さを研究していきたいと思います♪
作詞をされている草野正宗さんのイメージが変わるかも!?
「優しいあの子」「チェリー」などの歌詞についてはこちらでまとめています
☞「スピッツ 歌詞の意味解説まとめ 」
草野正宗の歌詞研究 解釈のヒントはこの2つ!
まず、具体的な歌詞を見ていく前に、、、草野正宗さんの歌詞の意味について考えるには、欠かせない発言があります。これを知っていると知らないでは、解釈の仕方に大きな違いが出るので、まずご紹介します。
雑誌ロッキンオンジャパンのインタビューで、歌詞について興味深い発言をされています。「空も飛べるはず」発売時のインタビューなので、1994年当時のものです。
俺が歌を作るときのテーマは”セックスと死”だけなんです
明確に断言しています!昔の発言なので、現在では多少考えに変化があるかもしれませんが、たしかにスピッツの曲のほとんどがラブソング。なかでも、初期の曲は強烈にセックスを連想させる曲が多いです。本記事では、そんな曲たちを中心に見ていきます!
また、この発言通り死の匂いがする曲もけっこう多いです。解釈にもよりますが、ラブソングでかつ相手が死んでいるなんて曲もいくつかありますよね。私の印象では、当時から今まで歌詞のテーマは一貫しているのではないかと感じます。
「歌を作るときのテーマは”セックスと死”」発言以外にも貴重な言葉がたくさんおさめられている大ボリュームの単行本「スピッツ」は、ファンならぜひ手に入れておきたい1冊です!
歌詞の中では比喩表現を多用し、曖昧に表現される草野さんですが、意外にもインタビューでは明解な発言が多めです。
初期の♥な歌詞まとめ(1991~1999年)
ここからは、初期の曲を中心に過激な歌詞の曲たちをCD発売順、アルバムごと(1stアルバム「スピッツ」から「花鳥風月」まで)に見ていきたいと思います!
以前、「バズリズム」という番組では、「おっぱい」について話されていましたが、おっぱいのような謎曲は他にもたくさんあるのです。あわせて、私の感想などもあわせて載せています。
「ニノウデの世界」
ファーストアルバム「スピッツ」の1曲目です。そうです、1曲目からすごいのです!まあ、タイトルから二の腕の世界って「どんな世界だ」と思わず言いたくなりますよね。
曲調は軽快な感じのメロディですが歌詞はというと、、、
「ああ君のそのニノウデに 寂しく意地悪な昨日を見てた」
「おなかのうぶ毛に口づけたのも」
このあたりが注目すべき表現ではないでしょうか。かなり直接的な表現が出てきます。それにしても、歌詞におなかのうぶ毛に口づけたこと歌詞にするって斬新です!
「海とピンク」
2曲目も、歌詞が印象的です。「ニノウデの世界」ほど直接的ではなく、比喩になっていますが、もうあからさまですね。詳細までは言いませんが、イメージしやすい箇所をピックアップしてみました。
「ほらピンクのまんまる」
「毒入りのケーキのかけら」
「プラスチックでがっかり」
「かたくなる身体をよせあって」
これらの歌詞を頭の中でまとめて、想像するとある場面が思い浮かんできませんか?野暮天な気もするので、あえて言いませんけれど♥
「うめぼし」
こちらもファーストアルバムからの曲です。シングル「スカーレット」のカップリング曲にライブバージョンが収録されたり、奥田民生さんがカバーしてたりと、初期の曲の中では知名度が高めです。
うめぼしたべたい ぼくは今すぐ君に会いたい
冒頭から、このように始まります。もちろん、うめぼしは何かの比喩なのは間違いありません。
色が赤いので、身体の一部なのかなと感じます。例えば、唇とか。
もしくは、「恋愛=酸っぱい、甘酸っぱい」なんてイメージがあるので、恋してる気持ちを君にあって目いっぱい感じたいという意味にも取れるかもしれません。なので、サビだけじゃ身体的・精神的どちらのことについての詩なのか、決め手に欠けます。
ただ、サビ前のこの歌詞で疑問は解決するのではないでしょうか!
優しい言葉だけじゃ物足りない
そして、この流れにサビである「うめぼしたべたい~」に行くので、やっぱりうめぼしは女性の身体を例えていると考えたほうが、しっくりくると思います。
上記3曲は、こちらのアルバム「スピッツ」に収録されています。もちろん、その他も名曲ぞろいです・メジャーデビュー盤から、独特の世界観と高い完成度を誇る名盤です。
「名前をつけてやる」
サビがとにかくインパクト大です。
名前をつけてやる 残りの夜がきて
むき出しのでっぱり ごまかせない夜がきて
そうです、問題は”でっぱり”が何なのかということです。パッと連想するのは、身体的な部分の比喩?と感じるのではないでしょうか。夜という言葉と並んでますと余計にね。
ただ、恋する気持ちが爆発しそう!みたいな、精神的なことと考えれる気がしないでもない・・・
そこで、注目すべきは2番の歌詞です👓
ふくらんだシャツのボタンをひきちぎるスキなど探しながら
「完全に身体的なことやないかーい」と、解決しました私の中では。ということは、”残りの夜”というのは、初体験までのカウントダウン?ってことかなと思ったり。
ん~、歌詞が抽象的な表現が多いので、他にも取り方はあると思いますが。ぜひ全ての歌詞を味わって聞いてほしいユーモアあふれる曲です。
「あわ」
この曲は、歌詞が1行1行でガラッと変わるので、意味がつながているのかどうなのか理解できない、かなりの謎曲です。そんな中、突如出てくるのがストレートすぎる表現です。
でっかいお尻が大好きだ
こんなあからさまな歌詞ないでしょ!しかも、メロディーの都合上、「で・で・で・でっかいお尻が大好きさ~」と歌うのです♪解釈しようとすると難解な曲ですが、何も考えずに聞くとぽわぽわした曲調で、とても心地よい1曲です。
ちなみに、斉藤和義に「君の顔が好きだ」という曲があり、君の顔・髪・肩・声・顔など、いろんな部分が好きだという内容です。が、さすがにお尻は出てきませんでした。
上記2曲は、セカンドアルバム「名前をつけてやる」に入っています。「ウサギのバイク」「胸に咲いた黄色い花」「恋のうた」「魔女旅に出る」などなど、名曲ぞろいなのでぜひCDで聞いてみられるのをおすすめします。そして、もしわかれば「あわ」の歌詞の解釈を教えてほしいです。
「惑星のかけら」
この曲に出てくる、僕と君は恋人同士なのか片思いなのか、いまいち謎なのですが、歌詞には印象的なフレーズが複数出てきます。
ベチャベチャのケーキの海で 平和な午後の悪ふざけ
そして、サビの部分です。印象的で好きな歌詞です。
骨の髄まで愛してよ
愛し方が濃いです!こんな表現なかなか出てこないですよね、恐るべし言語感覚です。この2つの歌詞から、2人は恋人同士なのかな~と思いきや、2番の歌詞で
君から盗んだスカート 鏡の前で苦笑い
と、でてきます。どういう状況??とよくわからなくなるのです。今までのことは全部妄想で、現実はストーカーのような悪いことをしてるのかもと思ったり。とても不思議なラブソングです。
「波のり」
もう出だしから、こんな宣言しちゃってます!
僕のペニスケースは人のとはちょっと違うけど そんなことはもういいのさ
いきなり何を言い出すんだ!と思いきや、もういいんかい!と。ドキッとしつつもにんまりしてしまうすごいツカミです。エロい言葉であるのですが、この歌詞からはどこか爽やかさすら感じさせます。
ただ、この歌詞以降はけっこう普通の歌詞で、波乗りを楽しんでるといった感じなんですよね。でも、実は波乗りは何かの比喩で、結局 性的な意味の歌のような気もしたりします。表の意味と裏の意味どちらもありそうな意味深な1曲です。
上記2曲は、アルバム「惑星のかけら」に収録されています。2曲ともけっこうすごい表現ですね。他にも「ハニーハニー」「アパート」「日なたの窓に憧れて」など名曲ぞろいです。
特に「日なたの窓に憧れて」は、草野さんが雑誌のインタビューで「できるのが早すぎた」といった意味の発言をされているほど。ブレイク後に発表していたら、もっと有名になったはずということでしょう。綺麗なメロディー・歌詞のラブソングで、多くの人が抱くスピッツのイメージにピタリとはまる曲だと思います。
ラズベリー
今まで紹介してきた曲たちは、一部分は過激な歌詞なんですが、全体的に意味がわかりにくかったり、別の意味にもとれるような曲でした。しかし、珍しくこの「ラズベリー」は1曲を通して比較的意味のつながりがわかる歌詞となっています。
ざっと、わかりやすいフレーズをピックアップしてみると、、、
「泥まみれの汗まみれの短いスカート」
「君のヌードを見るまで僕は死ねない」
「でこぼこのゲーム」
「この世の果ての花火」
「ねじれた味のラズベリー」
といったところでしょうか。あと、サビで繰り返し歌われる「チュチュ」っていう箇所も印象的です。全体をふまえて、これはもうあきらかにセックスソングと言えるのではないでしょうか。ネット上では、スピッツには変態ソングが多いなんて意見が多数ありますが、納得せざるを得ません。メジャー発売のCDでこんな曲を堂々と入れるのは、もう変態エロス野郎です(褒め言葉)
ライブでは、この曲をさわやかに涼しげな表情で歌う正宗さん。どんな感情なのでしょうか、いろいろ想像してしまいます。素敵です!
グラスホッパー
明るくてアップテンポなメロディにのってこんな歌詞が歌われます。
こっそり二人裸ではねる 明日はきっとアレに届いてる
裸で跳ねるってことは、場所はベッド??と想像するのが自然でしょうか。他にも、唇・秘密・愛撫・桃の香り・悶々など意味深な単語が頻出しますので、そういった方向で考えてしまいますよね。全体の印象としては、青春といいますか、10代くらいの少年期の歌って感じです。曲名のグラスホッパーはバッタやイナゴという意味なので、はねるという歌詞がリンクしていますね。
そして、一番のポイントは「アレ」とは何か?です。過去の雑誌のインタビューで、草野さんがこのように回答していました。
アレは何にでも置き換えできるんですけど。常に毎日何かが足りないって思ってる時がやっぱり幸せなんだと思うから、『俺はもう満ち足りた』って思っちゃうとそこで終わりだからね。
ということで、解釈次第で何でも置きかえ可能ということなんですね。目標など精神的なことや肉体的なことにも。何より、正宗さんのこの発言が男らしくて力強い!
あと、グラスホッパーの豆知識を。アルバム「ハチミツ」の収録曲の中で最後にできた曲で、この曲の収録が決まったことで、リーダー田村さんの曲が漏れてしまったというエピソードがあります。
「ロビンソン」「涙がキラリ☆」「愛のことば」など有名曲が多数入っている大ヒットした名盤「ハチミツ」に入っています。名盤揃いのスピッツの中でも特に人気の高いアルバムです♪
「おっぱい」
インディーズ時代の初期の名曲「おっぱい」です。草野さんが19~20歳頃に作った曲で、かなり古いのですが、1999年発売の「花鳥風月」に入っているのでここで紹介します。
まずは、冒頭からさっそくスピッツらしさが炸裂しています。
やっとひとつわかりえあえた そんな気がしていた
わかりえあえた!と思ったら、そんな気がしてただけという、断定しない悶々とした感じ、らしさが滲み出ていますよね。
そして、そこから涙をなめあったり、泥をぬりたくったりとエスカレートしていきサビで気持ちが爆発します!
君のおっぱいは世界一 君のおっぱいは世界一
二回言います。僕にとっては心の底から大事なことなのでしょう。サビでおっぱいを連呼する曲なんてかつてあったでしょうか。ここまでくると、潔よいし好感が持てます!
「バズリズム」という番組で、草野さんが「おっぱい」についてこんなことを話してました。
「頭の中、おっぱい is the worldみたいな時じゃないですか」
「そのころ、そういうこと歌うロックバンドがいなかった、隙間を狙って行くみたいな」
他のバンドと違うことをやるというのも、大きな理由だったのですね。これはお笑い芸人に例えると、無名の若手が何とか爪痕を残そうと、過激な発言・行動をするのと近いものがあるのかと思ったり。若かりしスピッツのアグレッシブさを想像し、テレビを見ながらちょっと胸が熱くなりました。
「おっぱい」は浴衣・足首のジャケットが印象的な「花鳥風月」で聞くことができます。シングルのカップリング曲を集めた企画盤で、「スピカ」「猫になりたい」「俺のすべて」「トゲトゲの木」など、名曲がズラリと入っている豪華な一枚です♪
まとめ
スピッツのデビューから1999年発売の作品までの、刺激的な歌詞の曲をまとめてみました。一覧で見てみると、思った以上に性的なにおいのする楽曲が多いと思われたのではないでしょうか。
- 「ニノウデの世界」
- 「海とピンク」
- 「うめぼし」
- 「あわ」
- 「名前をつけてやる」
- 「惑星のかけら」
- 「波のり」
- 「ラズベリー」
- 「グラスホッパー」
- 「おっぱい」
今回取り上げた曲たちは、歌詞にわかりやすいフレーズがあるもののみです。これ以外にも、比喩を使って一見普通の歌に見せかけた過激な曲は他にも多数あるので、ぜひいろいろ想像しつつ、聞いてみるのもおすすめです☆
その他の曲の歌詞についてはこちらでまとめています♪
☞「スピッツ 歌詞の意味解説まとめ 」
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